米へのビザ免除に障害。

By | 2005/02/07

# 07:02

朝日が「政府がIC旅券の導入実験」を行ったとニュースにしているのですけど、実験を行ったことがメインで、実際の影響を最後に書いて本質逸らしをなさっているのが、どうしてかなあと思います。

今回のIC旅券は、US政府が90日以内での特定国民に対する、観光・短期商用目的入国での「査証(ビザ)免除」プログラム(I-94W)を、「生体情報が入ったパスポートでないと受け付けない」としたために、導入の実験を行っているもので、欧州の当該国が大方が導入をすませています。ところが日本政府は、準備ができないと、現行パスポートでのこのビザ免除プログラムを1年延長させた経緯があります。で、それでも間に合わなかった訳で。そのおかげで、短期滞在でも、日本人は米国入国にあたって、顔写真と指紋を採られる理由になっている訳で。

朝日の同記事によると「再延長はなさそう」とのことなのに、日本がこれに対応できるのは「来年3月」。今のままでは今年10月~来年3月は、日本人の米国入国には全て査証が必要になってしまうかも知れないということです。ちなみに9-11以降のアメリカの査証を得るには、米国大使館領事との面接が義務になっており、アポイントを取得した上、大使館に出向く必要があります。知人の在日韓国人の方がそのために静岡から大阪に出てきていたのを思いだします。

アメリカをスタンダードにするやり方というのもどうかと思いますが、査証免除は「相互主義」。アメリカ人の日本入国だけを査証免除にするのか、という「不平等」問題を含め、日本人のアメリカ旅行(もちろんグアム・サイパンも)に支障が出ることなのに、これだけ遠回しな表現に終始するのはどうしてなのかと思うのですが。

#22:30

なお、現在アメリカは入国なしでの乗り継ぎを認めていませんので、中南米から日本へ査証無しで行き来しようと思いますと、欧州経由かカナダ経由しか選択肢がなくなってしまいます。

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