マイナンバーカードに批判的な理由と、昨日今日の住基カードでのe-tax利用でのトラブル。

By | 2016/01/08

マイナンバー、話題になっています。「情報を統合すると便利」「いやそれをやると漏れる」とかいろいろ。

個人的には統合する方についてはかえって面倒なことが増えると思っていました。特にサービスについて思わぬ問題が発生するものです。そんな1例を経験しました。

年明け早々、当方はe-taxで2015年の確定申告を例年のように実施しようと手続きを粛々としていました。当方はそもそもe-taxを利用するのは郵送に伴う領収書の紛失が怖く、当方が更に別居の両親を扶養としているので、そのやり取りが大変なので、ペーパーレスで情報をやり取りしているので、紙での申請は骨が折れます。そのためe-taxを利用しています。

ところが最後のところでトラブル。調べると「カードの公的個人認証情報がないか、壊れている」とのこと。行政の窓口で相談してください、と記載がありましたので、役所を訪問します。

役所で言われたことは、暗証番号の登録がエラーで終わりますね、と回答があり、調べてもらったところ、自分は昨年住基カードを財布とともに紛失し再発行していたのですが、その時の確認漏れで公的個人認証情報の引き継ぎがされていないことが判明。手続きとしては、前のカードに乗っている情報を廃止して、新しいカードの発行時に引き継ぎする必要があったのですが、それができていませんでした。つまり「紛失したカードに公的個人認証情報が載っている」(危ない)。

基本的にICカードには1枚1枚固有のタグが付けられているので、それと各サービスを関連付ける必要がありますので、「再発行」と言っても、単純に情報を乗せるだけでは過去のカードに情報が残り、両方からアクセスできるようになるという問題もありますから、廃止と引き継ぎというのが必要なのは当然のことなのです。実施Felicaってスマートフォンにも(Androidには)ついていて、とても便利なのですが、機種変更の時に結構めんどくさいのはそういうこと。

が、その情報の引き継ぎは「当然行わなわれるもの」との認識でしたが、どうもそうでないようです。またその公的個人認証情報の引き継ぎが無いというアラートすら、システムではされなかったようです。

じゃあ、そのカードを紛失扱いにして再発行しなおせばいいのではないか?と思うでしょう。

住基カードの発行は当局の強引なマイナンバーへの移行もあり、再発行を含めて2015年内で「終了」しているのです。公的認証情報の上乗せも「できない」ようです。(できるのならただちにしていただきたいと思います)

なら、マイナンバーカードの発行をしてもらえば?

当方の自治体では窓口で申請するときに「混んでいるので3月位の発行になります」と案内しています。政府が強引に2016年はじめからの導入を決めたおかげでタイムラグができているのです。(急すぎる「改革」はこういう問題を産みがちです)

全く馬鹿げています。

基本的に、カードを1枚に集約するというのは、極端な話、例えば医療費情報もそれに集約するのであれば、マイナンバーの登録のみで「医療費控除申請・還付までを含めて」のようにワンストップで終わるべきものです。

でもどうも政府が言っていることはそうではないし、その1枚1枚固有のカードに情報を乗せるために、紛失・盗難だけではなく、一定年毎にくる更新時にも同じ問題が起こる可能性は十分にあります。

さらに民間のサービスを乗せる? どうなるでしょう。考えるだけで恐ろしい。
利用者はそのカードに載せた情報が正しく登録されているかを、「自分の責任で確認し続けなければなりません」。そういうことが現実的かどうかは、あなたのクレジットカードのリボルビングと支払遅延時の利子をすべて理解しているのか、というのと同じくらいのこと。

基本的に物事は間違いが起こるので、フェイルセーフの思想でなければいけないのに、住基カードの発行終了についてもフェイルセーフができていない。ならシステム全体そういう思想ですよね、となります。

でトラブルが起これば、役所で2時間費やして確認、ってのもどうかと。
素晴らしい「ワンストップ」ということになります。

端的に言えば、

・役所窓口が住基カードの再発行時に公的個人認証サービスを載せ替え忘れたこと。
・それに伴ってe-taxが利用できなくなったこと。
・マイナンバーカードの移行を焦って、こういう問題が起きた時の住基カードに対する救済策を失ったこと。
・マルチサービスを1枚のカードに乗せる場合、イレギュラーなことが発生すると恐ろしい位面倒くさくなるということ。
・そもそもマイナンバーで医療費控除位自動でしてください。税収のための(収入の)名寄せだけとかふざけてます。還付も自動でしてください。

ということです。

ですからマイナンバーカードのマルチサービス化は国民には(現時点では)無意味で、むしろイレギュラーなことが起きれば面倒になりますよ、と思います。

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