「TVでやれば人気が出る」かどうかを考える。

By | 2017/08/12

0. はじめに

このエントリーでは
・放送すると直接的に放映権料で儲かるのか、また実はお金が出ていくのか。
・最終的な収益性を市場に合わせて考える必要性について。

を考えていきたいと思います。

1.放送の直接収支は?

いつまでも、メジャーではないスポーツ競技(バスケットもそうですが)について、
ファンが「テレビでやれば人気が出る」「地上波でやれば人気が出る」と言い続けるのはいつものことなのですが、
その意味を考えてみようと思います。

まず、テレビで放送するというには大きく2つの形態があります。

1) テレビ局に望まれて、放映権料をもらい放送する。
2) 枠を買い取って放送する。(広告枠の買い切り)

1) については問題がありませんが、それには視聴率が自然に取れて、自動的にスポンサーが集まってくる場合にのみありうることで、現状「人気が出る」と言っている以上、現時点の人気はそこまではないのですから、これは除外する話になります。
現実問題として、ゴールデン(19-22)で10%、休日昼間で5%程度の視聴率が期待できないとテレビ側からの直接収益を持ったアプローチは考えにくいということです。

つまりこの時点でお分かりだと思いますが、
・現状の民放での中継では放映権料は発生しない。
・(bjリーグの当初の中継もそうでしたが)機材費・解説者を提供してようやく放送してもらえる。
という状況なのだ、ということです。

そうすると現状のそれら地上波での民放の放送は、2)の広告枠の一定の買い取りが必要になります。
地方局であれば1スポット10万とか15万でいいのですが、広域都市部では50万とか必要になってきて、都市部では難しくなります。
確かにそれで放送してもらえるのであれば「広告効果が」と言いますが、(放送局によっては若干の猶予はあるとは思いますが)放送2時間で最低限の12分の広告枠を買い切って、15秒30万とした時に、1500万用意して放送してもらって、関西広域圏で3000万人、視聴率が仮に4%として120万人にリーチして、その更に1%に来場してもらえるかどうか、という風に考えてみればいいのかなと思います。

でもそれを7試合やれば1億(仮定の前提で)。それを直接チームやチーム資産に投資した方がリターンが大きいのかな、という気もします。少なくとも1年以内という短期的には。

2. 他業界ではどうか

ファン層の購買力が高いと考えられているアニメーションでの話が’「ねとらぼ」さんで以下のエントリーで語られています。
「諸悪の根源は製作委員会」ってホント? アニメ制作における委員会の役割を制作会社と日本動画協会に聞いた 2017/6

”基本的にアニメ作品10本に出資したとしても大体9本は外れます。そのうちの1本がヒットして9本分の赤字が埋まるかどうかという感じ”
”2億500万円が1クールで必要なお金になります。もしこれを1社で抱えて、さらにヒットしないとなると大変な損失になりますよね。さらに製作委員会方式で作品を放送するためには「番組提供費」というものも必要になる

放送局が制作委員会に入っている場合はいいけれども、そうでなければ「放送費用」が必要になるというのは、アニメですら現状あるということです。
その上で失敗率も高いということ。ただアニメの場合はブレイクアウトすると、突き抜けるものもあるので、9割の赤字を埋めることができるという利点があり、それはスポーツではなかなかないことだと思います。

また、最近の音楽産業を考えてみると顕著で、板(CD/DVD)のメディアが売れないので、握手会に行くケースもあれば、コンサートなどライブにいくなど、結局のところ「媒体をどうライブにつなげるか」の流れになっているような感じではないでしょうか。
ちょっと前までは、Mステなどに登場すると、週末のオリコンのデイリーチャートへの反映が顕著にあったのですが、この3年くらいは著明に減弱しているように見えます。
逆に歌番組もフェス化して、実際の音楽興行もフェス化が顕著です。
ある意味Bリーグの昨年の開幕戦の民放中継も同じではなかったかと思います。
そういう大きなメディアでの「花火の上げ方」にシフトしているのかもしれません。

3. 私的な結論

よって、民放での放送ということについては、私はこう考えます。

・当面、放送してもらうことは収益性ではなく、投資方法(お金が出ていくもの)としての認識が必要。
・まずは、一部広告枠買取を免除してもらえる、ソフトウェアの共通制作という意味で協力できる、という状況になるまで、各チームの価値を高めることが必要。
・その上で、花火という観点で、市場に訴えかける内容で、対戦相手、放送方法も検討した上での価値が出る可能性がある。

既にその価値が出ているチームも少数あるとは思いますが、どう増やしていくかということも必要かなと思います。

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