ニッポン放送の「村上ファンド」問題に見る「時代」。

By | 2004/05/27

今日の日経に載っていて興味深かった記事です。「村上ファンド」(投資顧問会社「M&Aコンサルティング」を指す)が、ニッポン放送の株式の20%前後を所有しており、筆頭株主となって、フジテレビなど関連会社に対して、持ち株会社移行を持ちかけているものです。

ニッポン放送の株式の時価が1,800億円しかないのに、フジテレビの株式(時価総額6,000億円強)の22%余を持っている「ねじれ現象」を狙ってのもので、逆にフジテレビがTOB(株式の公開買い付け)でニッポン放送の子会社化を狙ったり(2004年2月)、また村上ファンド側も、ニッポン放送に取締役を送り込もうとするなど、動きもあるようです。

結局のところ再構築を行って株式の時価総額を引き上げ、そこで利益を得ようとしているのでしょうが、いずれにせよ、フジサンケイの持ち合いを利用しているというのは興味深いところです。

DDIポケットの外資への売却→上場しIPO利益の確保など、株式市場を利用した、US式M&Aの素地が出てきつつあるということかも知れません。製薬業界でもサノフィのアヴェンティスの敵対的買収以降、内資大手ですら戦々恐々としているくらいですので…。

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