古田さんと「ポピュリズム」

By | 2004/08/12

10日の基本合意書調印への古田敦也さんのコメント、「テレビの映像を見たけどニコニコしていた。たくさんのファンや選手が犠牲になるのに楽しいことですか。強い憤りを感じました」という言葉(ニッカン)ですが、私は古田さんの立場、発言に一定の理解はしていますが、一連の発言がまず感情ありきで、その後もし話し合いが行われたとしても、合理的に行われるのか疑問に感じています。

是非はともかく、合併する側は、自らの判断に従い、経営改善をする方法として行ってきたことに関して、一山をこれでようやく越えた訳で、安堵感を示すのは当然のことだと思います。

それをキャッチーにコメントし、リードしていく様は、最近使われる「ポピュリズム」と言う言葉を連想させます。この用法には議論がありますが、三省堂デイリー新語辞典によると以下の通り。

(1)民衆の利益の増進を目標とする政治思想。既存の体制を批判し,知性に重きを置く立場を否定する。民衆主義。人民主義。
(2)転じて,大衆迎合主義ともいう。

原意は(1)と思われますが、選手会の案が概略としても、経営案としては具体性に欠けるものという私の認識であるとは、従前から記載している通りです。それにより、無批判に受け取る方が多く、昨日たまたま耳にしたラジオの報道でも同様の取扱いをされていたようです。その点で、有る意味「知性に重きを置く立場を否定する」という点では、このポピュリズムと言う言葉は、プロ野球界にも起きている現象であることを認識する必要があるなぁ、と感じました。

人の表情の裏側にあるものをあえて読まなかったのか、感情に走ったのか知りませんが、選手会会長としてご発言されるのであれば、「逆もまた真なり」であるという認識はして欲しいなぁと感じました。

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2 thoughts on “古田さんと「ポピュリズム」

  1. dai1975

    私もテレビを見て直感的に「この人、何で笑ってるんだ?」と思ってしまいました。
    そんな大衆の感情に訴える「ポピュリズム」という考え方にはとても共感を覚えます。

    ただ、経営者側ももう少し「大衆」に配慮してくだされば・・。という気もします。
    いろんな判断が働いているとは思いますが。

  2. wolfy

    賛成反対の立場はともかく、翌日にこの言葉そのままの「意見」を自分の意見として述べる方が多いのには閉口しました。経営側に対してもいわゆる「逆もまた真」であることは言うまでもありませんが、お互いに低いレベルでマッチングしてしまっていますね。

    中国のブーイング問題みたいだなぁ…。1992年のT「準優勝」騒動の時、実は接待で球場におりまして…、何でも政治化するのはどうかと。あの時とかの方が危なかったですからね。この件(中国)は明日書きますけど、実は甲子園球場のT戦はこれ以降見たことがありません<私

    時代が了見を狭くしているような気もします。

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