NHL選手会:協定の新提案

By | 2004/12/10

あれだけ騒いだ日本の球界のストライキおよび年俸に関連した話題も、12球団で行くとなったとたん、小委員会にも定足数の6名すら出てきやしないNPBPAに比較して、こちらは新協定交渉が頓挫し、ロックアウトに突入したNHLの選手会、NHLPAは、新たな提案をNHLに提示しました。

それによると、凄まじい条件です。
誰かに見習ってもらいたい位(苦笑)。

1.以前の提案した現契約済分の年俸「即時10%カット」を 24%のカットに拡大
 →3年間で少なくとも $570M(M:百万 = 600億円)のカット。

2.ルーキーの年俸上限を$1.295Mから$0.85M(M:百万)に。
3.ルーキーの契約金(ボーナス)上限を$0.647Mから$0.2125Mに。
 →6年間で $400M (420億円)のカット

4.ぜいたく税を見直す。前提案の年俸総額 $50M超分に20%、$60M超分に30%から、初年度は$45M超分に20%、$50超分に50%、$60M超分に60%。更に2年、3年と連続して$45Mを超えれば、税率を5ポイントずつ上げる。(既に契約済選手の24%減額後、適用対象となるのは $50M超のNJ、$45M超のTOR,PHIの計3チーム。但しほとんどのチームはベンチ入り選手全てとまだ契約していない。)

5.2005-06年未契約の259人の”グループ2”選手の年俸契約について、$1M以上の選手は24%減額後の年俸を、$660,000以上の選手はその105%、それ以下の選手はその110%をQuailfying Offer(条件を満たした契約)として締結する。
 →2005年のみで$95M(100億円)のカット。

ということが主な内容です。詳細はNHLPAサイトの提案(PDF)をご覧ください。

いずれにせよ、削減額が具体的で、以前より申し上げているように、どこかの国の「労働争議」よりよっぽど具体的です。また、それはチーム側にも言えますが、とにかく情報公開がここまで行われる、ということが最もうらやましいことですね。

NHL側は持ち帰り、精査した上で、というコメントを出していますが、前回の条件と比べるとかなり良く練った内容になっています。とはいえ、こちらもリーグ側はサラリーキャップを提案していますし、それに「ぜいたく税」課税率は高いものの、当初の該当チームは5~6チームに過ぎなく見えることから、ここ数年の年俸の異常な高騰を避けることはできそうなものの、根本的な抑制になるのかどうかと、そのレベルを試算しないわけには行かないでしょう。MLBの様に「ぜいたく税」が有名無実になってもいけませんし。

ロックアウトが終わり、今シーズンが年明けにも開幕するのか、しばらくすると結論が出そうです。

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One thought on “NHL選手会:協定の新提案

  1. Blog @ wolfy

    NHL:双方の提案を拒絶。

    アメリカ時間で昨日、トロントで行われたNHLとNHLPA(選手会)とのCBA(新労使協定)に関する交渉が行われました。
    まず、NHL側は12/9に選手会が提案した新協定を、将来に渡り年俸を抑制する性質のものではないと拒絶。実際に2004-05シーズンは大幅に黒字化するものの、翌シーズンからは赤字化し、2007-08シーズンからは大幅に赤字化するもので有るとした上で、以下の対案を提示しました。
    1.年俸別の年俸カット(選手会は一律24%カット提案)
     $0.8M以下は0%、$1.5M未満は15%、…

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