トヨタカップ、終わる。

By | 2004/12/15

FCポルト 0(8PK7)0 オンセ・カルダス

これもおそおそレポートです(苦笑)。12日のトヨタカップ、行ってまいりました。ホント長い試合で、寒かったし、一見よくわからない試合内容で、ぱっと来た人には難しいかな、とも思いましたが、実に濃厚な試合でした。45,000余の観客はちょっとさびしかったですけどもね。

試合を見たのはW24-10列447という座席で、その上にオンセ・カルダスのサポーターの皆さん。いやあ、騒がしい騒がしい。このチームの主な「コール」というのが、"Uno, Dos, Tres ……, Once !" って奴なんですけど、大半の方は理解できなかったようです。いやあ、シンプルで。スペイン語で1から11まで数えるだけ!というホントにラテンっぽいコールですね。

(右写真:FCポルトの9人目のPK最中)

しかし、オンセの守備のコントロールは強固でした。最終の4人の統率が凄く、さらには全体としてもゾーンを狭く、25m程度にコントロールしてスペースを与えない様子は、お手本というか、意識の高さを感じました。「南米的なチームではない」と監督が語った理由がそういうところにあったんですね。

ただ、前のタレント不足は否めず、フィードしてもチャンスに繋がらない、相手の最終ラインのコントロールとは無関係に飛び出す局面がいくつもあり、この辺がリベルタドーレス杯でも「PK狙いではないか」という誹りを受ける理由にもなったのでしょう。しかしこの守備の統率は評価すべきでしょう。

(右写真;勝負が決した瞬間)

また、TVメディアは、「攻撃的なポルト、守備的なオンセ」と印象づけたかったようですが、実際のポルトも極めて守備の統率が良く、底からのフィードを前がしっかり展開する形であったように思います。今季の試合を見ていないので、オンセに合わせたプランであった可能性もありますが、小生は概ねそのように感じました。好機の数の違いは、単に前のタレントの違いに過ぎないにように思われました。

とはいえ、そのチャンスをポストやバーに阻まれる、典型的な「押されているチームが勝つ」パターンでしたし、PKでもポストに蹴られ、勝負を決する5人目のオンセのPKが大きく外れたのは、プレッシャーというか、ドラマでしかなかったですね。

(右写真:表彰式直前までうなだれていたオンセの選手)

いずれにせよ、25回続いた「トヨタ・ヨーロピアン・サウスアメリカンカップ」はこれで終了。次回から世界クラブ選手権として行われ、初回はこの名前をNISSANスタジアムと変える競技場で行われることになります。もちろんスポンサーはトヨタで、NISSAN隠しを行った上で、ということですが。

SportsNaviに、トヨタカップを作った男たちという特集があり、スポーツビジネスという観点からも興味深いインタビューコラムがありますが、そこでも指摘があるように、ここずっと欧州のチームが勝っていることが示す、ボスマン判決以降のUEFA傘下チームの肥大化が、トヨタカップの意味を失わせていただけに、世界クラブ選手権の位置づけも微妙なものになりそうな気がします。

そう言う意味で、この大会の87~99年という黄金期を日本で体感できた、その幸運というものに感謝しなければならないでしょうし、それを支えた方々にも同様の気持ちを持つのは、少なくとも小生には当然のことです。区切りとして、お別れを。

さようなら、インターコンチネンタルカップ。

優勝を祝して場内を舞った紙吹雪(実際にはビニール製)1枚1枚には、こう書かれていました。
"ARIGATO ! TOYOTA CUP"
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#帰りの地下鉄で、イリベ夫妻に遭いました(^^;
#2004/12/16 10:09 虫取り実施

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