中国:「抗日運動」

By | 2005/04/17

個人的に思うのはこういうこと。

中国に日本がしたことは、個別の事実認識がどうであれ、日清戦争以降に欧米列強が中国にしたことに追随して、「一連のデモの集団の一人として中国人が投石していること」と大きく考えれば相違はない訳で。でも、それを言い始めれば、元寇や朝鮮半島に対する支配を延々続けたり、ベトナムに対する覇権を主張した国である反省はあるのか、という面は中国には確かにある…のだけれど。

それを言ったところで、欧米に理解してもらえるのかというのが実際のところ。
日本人でも中越紛争なんて覚えて無い人、多いでしょうに。
ましてやあんな歴史教育している中国では、20代の方で知っている人ってどれだけいるのやらと。じゃあ「西洋」ならもっと知らないよと。

日本政府がすべきことは、日本人の安全確保の為に軍備に関係のない「有事」であるという意識での行動をすることと、その「中国の内政の問題」を具体的に指摘するまでもなく、日本政府はこれだけしているのに、中国政府が何も対応せず放置している、という印象を持たせること。

要するに官邸にいて国会に動きも無いのに、口先介入を繰り返すことじゃなく、自ら中国に行くか、外相を中国にもっと早期に送り、対応を協議するような、表向き日本国民を考えた行動を取ることじゃないかと思うのだけども。それとも、ここでも「自己責任」…ってことはないよな。いや、謝罪と賠償を政府にしろ、っていうだけで、被害にあった日本人にはしなくていいって思ってるのなら、この国の政府はその程度。数万(マカオ・香港を含め長期滞在者は63,000 = 2004年)を超える日本人が中国にいて、不安を感じている訳で、福岡での地震以上に生活に不安を感じている「被害者」がいるのに、その程度の対応ってのが、とっても解せない訳で。

ただ、遅いけれど、USA TodayやCNNでもこの問題は中国が何も対応をせず、代わりに第2次大戦を持ち出す、という報道の傾向が(日本政府の対応の遅れによりようやく)出て来はじめたところなので、これを後押しする外交をすればいいだけのような気がするのだけども。「五輪出来るのか?」なんて素人レベルの発言してるような程度の低い代議士は放っておいてさ。

今年だけで数十回に及ぶ経済水域侵犯なども絡めるってもいいかもね、と。
もっと狡猾で、大きなところを見て動く政治家がいないものかなと思ったりする数日です。

低いところにレベルを合わせる必要はない、と思うわけです。

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7 thoughts on “中国:「抗日運動」

  1. 死ぬまでにしたい100のこと

    群れをなして人に迷惑をかけ、物を壊す=ただの常識の無い動物達

    当分、この反日デモは中国で続きそうな状況だ。
    それにしても、今日のEZ TVを観ていて少しムカついてきた。
    別に中国に対して何の偏見も持っているつもりは無いが、
    日本車に乗っている中国人や日本料理店に勤めている中国人にも
    危害を加えているのが信じられない。
    ましてや、反対デモに参加し「日本製品を使うな」と
    叫んでいた中国人の自宅には予想通り、日本製品が溢れていた。
    自分達の憂さ晴らしとしか思えない中国の状況を垣間見ることができたような気がする。
    よっぽどウチのリックがお利…

  2. D/T

    なるほど。この文面を官邸なり外務省に送られてはいかがでしょう。彼らも同様のことを考えて行動していると思いたいのですが、どうもマスコミと右派の政治家は「ネット右翼・ファシスト」と似たような言動を繰り返す感があり、危惧しています。正直中国の右翼のおかげで産経やらネット右翼はウハウハでしょうよ。一般人も中韓に嫌悪感・敵意を持ち始めているのですから。

  3. Teru

    一連の「デモ」は中国政府にとっては諸刃の剣でしょう。

    今のところは中国政府の見解に沿った動機と攻撃対象になっているように見えますが、
    実際に「デモ」参加者と日本総領事館との間に立ちはだかっているのが
    中国政府の命令を受けた警官である以上、主張の通りに行動できないという鬱憤から
    いつその刃が中国政府自身に向かってくるか分かりません。

    つまり、中国政府にとっても進退窮まる状況になりつつあるわけです。
    「デモ」隊を押さえつけすぎれば天安門事件の二の舞が待っています。

  4. Teru

    では、中国政府が諸刃の刃の先へと追いつめられる様を放置、
    いやむしろ今やっているように追いつめて、
    漁夫の利を得ようとするのが日本政府と日本国民にとって得策か?

    そうではないと思います。この方法では状況を日本政府が制御できませんから、
    偶然の結果、大きな損害(特に経済損失)を日本政府や日本国民側が被ることになりかねません。

    ここで、少し前まで熱論の対象になっていた北朝鮮経済制裁論の目的と、
    その実を上げる方法を考え合わせる必要があります。

    目的が北朝鮮封じ込めと、出来たら拉致問題の進展、と設定した場合、
    その実を上げたければ北朝鮮の隣国である中韓政府と、
    対北朝鮮政策に関して一定の政策一致を図る必要があります。

    しかし、中国政府にしても、得るところ無く日本政府と政策一致を図るとは思えません。

  5. Teru

    そこで、今頻発している「デモ」の制御に中国政府が苦慮している事を利用すべく、
    日本政府側から、状況制御につながる手を打つべきだと考えます。

    例えば、「来年から日本国内で使用される歴史教科書の検定を廃止する」等。
    (本当は靖国分祀といった思い切った策も欲しいところですが。)
    これと引き替えに、中国政府から対北封じ込め政策について、一定の共同歩調を取り付ける。

    デモ頻発状況を打開したい事自体は、中国政府も同様であることを考えれば、
    案外日本政府側の小さな変化で、日本国民側は対価を得られるのではないかと思います。

  6. wolfy

    面白いことにワシントンポストが中越紛争について触れたようです。
    一般のレベルはそうではないですけど、
    すくなくともメディアの質は向こうの方が高いようです。

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