GDP発表に反応する「近視眼」

By | 2009/08/18

2009年度の第1四半期のGDPの速報が昨日出て、年率換算で+3.7%という数字が出るや、mixiやblog周りでも、近視眼的に経済政策の効果が出た、という主張が多くあったことに’驚きました。

まず日本のGDPがどれだけあるかということを言えば、今回の金融危機前が大まかに565兆円。それがそれ以降は年額ベースで525兆円前後に下がっています。つまり

・この時点で8%が失われているという現実
・実質成長率発表は「前期比」であって、「前年同期比」ではない

ということに言及する必要があります。
その上で、追加経済政策として15兆円の対策ということであれば、それの単純増加のみで2.8%程度の押し上げ効果があることを指摘せざるを得ません。

実際、日経の景気ウォッチを見る限り、寄与が大きかったのは外需であって、輸出の伸びに加えて輸入の減少が大きかったこと。(これが1.6ポイント) エコ対策(エコカー減税・エコポイント)と定額給付金がそれぞれ0.5、0.4ポイントの効果ということです。(定額給付金は2兆円ですので、そのままの押し上げ効果ということですね)

ただ、2009年度の最終予測を見ても、公共投資のみが約+20%と、結局それに’依存した経済成長という図式は変わりそうにない、ということでもあります。

結局は箱物バラマキと、外需増加と内需の輸入減少という、政策効果かよくわからないものになっています。実際、17日の株価の下落(-3%弱)の理由はこの数値が予想より小さかったことという見方が主流です。

それ以上にこの発表の中で気になる項目があることに彼らは決して言及しません。

雇用・所得環境の悪化を反映して、4~6月期のGDPベースの実質雇用者報酬は前期比1.7%減少した。こうした状況で消費が拡大したのは、政策による押し上げ効果が大きかったためだ。事実、家電や自動車などの耐久財消費は前期比6.6%増と伸びが目立った。消費に対する逆風は強く、政策効果が一過性に終われば消費の縮小は避けられない。 (日経:景気ウォッチ 09/8/17)

(編注:「ボーナスの影響がある期間」と「それがない前期」比ということを考えなければいけない)

その中であのような党首討論会が行われたことは、出席者および質門者すべてに対して、失望を禁じ得ませんでした。

また、そのようなmixiやblogなどでの近視眼的反応も、それに並ぶものでした。

正に国民のレベルにあった政治が展開されている訳です。