NBL和歌山トライアンズ、社長の事実上「更迭」

By | 2014/06/07

NBL、和歌山トライアンズの社長が辞任し、役員も全て去っている状況と伝えられています。

和歌山放送などで伝えられているのは以下のようなことです。

和歌山放送
・2014年5月末に経営者が変更。古川靖章社長が退任。
・ほかの役員らも契約満了で会社を辞めた。
・経営体制の変更に伴い、契約期間の残っているジェリコ・パブリセビッチ ヘッドコーチの退任を含めて、新たなチーム陣容を検討。
・来週、記者会見を開く。

読売新聞
・HCには解雇を通知
・運営会社社長・スタッフも5月末で退職
・現時点では10人の選手が自由契約になった以外は明らかにできないと運営会社。

HCは2年契約と聞いていますが、今後については次週の記者会見に明確になる状況とのことですので、どうなるかはその時には明らかになるでしょう。

実際のところ、チームを継続することが決まってからの準備期間が開幕まで9ヶ月足らずしかなく、その代替もあってか、パナソニックからの支援も3年間分あるという話ではありました。(傾斜で減額)しかしながら伝え聞くところによると財務状況は良くなかったようです。

恐らく運営会社の実質変更があるんじゃないかなあ、とか思います。
ん…昔どこかでよく見た光景ですね…
bjリーグのいくつかのチームでよく見た光景。
NBLの前身、JBLでは1月に「何か」が二度発生した過去があり、それはどちらも旧運営会社にとって非常に不幸なことでしたが、今回はそこまでにはならなかった…のかは正直なところ良く存じません。
しかし年度途中には表に出る点で事に及ばなかった、ということではあるのでしょう。

JBL/NBLのプロチームの出だしとしては、豪華なメンバーでスタートしたと言って良い状況でした。
少なくともスターターの質は、旧JBLチームと遜色なかったと思います。
ただ、それはコストを意味します。コストに見合う観客、と言いますが、通常、プロチームの財政を見れば、入場料収入が25~50%程度、あとの主なところはスポンサーになります。
そこに見合うスポンサーを獲得できている状況には無かったように感じました。
準備期間が短すぎたこともあります。
一方の入場券収入についても、お客さんは終盤入っていたと言っても、招待券比率の具体的内容も小耳には入ってきていますが、そのデータが正しいのであれば、かなり厳しいものでした。

本当に「強いチームを作れば、入場料収入がついてくるのか」それは、bjリーグでいくつも見てきました。
当初の大阪がそうでしたし、髙松の初期、10-11の東京(震災で休止するまでの特に数試合の内容はほんとうに素晴らしかったです)もそうでした。これらチームについて、自分が知る限りのことを言えば、表面上の入場者数ではなく、チケット収入という点では「めざましい結果」は全て及ぼしていません。結局のところ地元に寄り添って、地元が逆にチームに寄り添う環境ができたところが、客数も収入も伸びている印象があります。

NBL/JBLには、この点において以前に書きましたが、そういう「チーム」に先行投資をして成功したケースがあります。栃木ブレックスです。田臥選手を獲得できたことと、優勝もあり、チケット収入で1.5億前後、チーム収入でも4.5億程度まであるかと思います。ただ、これが「強いチームに投資したからの成功」なのか、ということです。

bjファイナルズが今年ありましたが、試合前のイベントで、子供がコートでレイアップなどを行っていました。1人のお子さんが田臥選手の栃木のナンバーシャツを着ていたのが非常に印象的でした。
NBAとNBL/bjの知名度は圧倒的に異なります。mixi全盛の頃、各コミュニティの人数を見たことがありますが、NBAが2.5万人、bjが7千人、JBLが(ここはうろ覚えですが)5~6千だった記憶があります。基本的にNBAのブランドは強烈であることが一点。それと合わせた彼の個人的な人気もあります。関西では栃木のゲームのチケットの売れ行きがいい(通常のゲームの2倍以上になることは珍しく無いです)ことにも現れています。

もう一つ上げるなら、宇都宮周辺の娯楽産業が、大都市50km圏と比べるといちじるしく少ないことです。これをたとえにするのはどうかと思いますが、知人に宇都宮の知人がおりいつもこう言っています。「宇都宮は娯楽がないから、ゴルフの打ちっ放しを作るだけで人が集まるのよ。だから自分もやろうと思って」と。これが正しいかは知りませんけれど、それ位競争する娯楽産業が少ないということも、1つのポイントでしょう。事実として、bjでも観客の多いところは、テーマパークやスポーツなど有償の対抗娯楽の少ないところに顕著です。

これらを認識せず、「強いチームに先行投資すれば儲かる」ような認識が、もしリーグやコンサルにあるのだとすると、そのうまく行かなかった例から何を学んだのか、と言わざる得ませんし、その当事者は猛反省をする必要があります。多少の先行投資をする時期があるでしょうが、それが1年目である必要があったかどうか、冷静に考える必要があると思います。結果的に和歌山に関しては、こういうことになってしまった、ということでしょう。(ただ「こういう」が「どのような状況」であるのかは、今オフを見定める必要があります)

いずれにせよ、残念なことになったことは間違い無い状況で、既に前社長には、おつかれさまでした。ありがとうございました。とこの場をお借りして申し上げたいと思います。
そして、このスタッフを功労者として受け入れられる、業界であって欲しいと思います。

<2014/6/09以下追記>

(続報については HC退団が報じられています。 )

2 thoughts on “NBL和歌山トライアンズ、社長の事実上「更迭」

  1. 佐藤智子

    栃木にはバスケの他にサッカー、アイスホッケー、自転車と、四つもプロスポーツがありますね。
    お互いがファンというパイの奪い合いをしているのか、相乗効果でスポーツ観戦が日常のレジャーになっているのか、興味深い地域です。

  2. wolfy Post author

    >佐藤智子さん

    コメントありがとうございます。

    少なくともサッカーについては、ご存じとは思いますが、債務超過の解消の必要がある状況です。2月に伺いましたときも、募金の広告がちらほら見える状況ではありますね。まだ順調とは言えないようです。

    どこかでプロバスケットが順調に伸びている場所は、サッカーが伸びていないというのも拝見したことがあります。仙台が一時例外的に全て伸びていたのです。(bjオールスターの時のシンポジウムでの河北新報の方のコメントの数々は忘れられません。仙台のファンのかたはメディアやスポンサーに直接的に働きかけてくる、と)

    ただ震災後の経済的な問題と、野球の日本一で、まずは野球になってしまったところがあるように思います。ゼビオアリーナも指定管理者になる予定が、条件がおり合わずという残念なこともございました。しかし仙台はポテンシャルのある街のようです。

    複合的に伸びる事例が増えるといいなあと思います。

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