私的球団考>B (2:球場-千葉と神戸)

By | 2004/11/18

この記載は私的な推理、考察が含まれており、そのため全体としての客観的事実と異なる可能性を否定できません。そのため、本球団史はあくまでも事実に基づいた「フィクション」と定義することをお断りします。

2.球場:千葉と神戸。

前項でもあげたように、西宮の使用について、当初から2年と規定であろうされていたこと。また賃貸費用も現在の大阪ドームの10億ですら高額と言われている中での「年15億」は事実上継続の賃貸をさせなかった契約であるのは当然のように思われる。ところがバブル崩壊で西宮球場の再開発が頓挫したため、契約条項が公開されていないことによる問題が、オリックスに襲いかかることになる。西宮を使用せよ、の阪急ファンの声である。

また同時に、当然のように移転先を探す必要に迫られる。当時オリックスは東京本社を千葉・幕張に移転する計画の真っ最中(註:自社ビルを建設して移転案があったが、現在は東京本社を芝公園に置いたまま)。そこで白羽の矢が立った一つは、千葉マリンスタジアムだった。しかしながら当時のパ会長に打診した結果、「関東4球団は無理」。そこで浮上してきたのが同県内の神戸であった。保護地域は都道府県単位であるので、移転の承諾手続きを省略できる(専用球場のみの変更)ことから考えても適切と思われた。また、南海を買収したダイエーも本拠を神戸に当初は移したかったのだが(ちなみにGS神戸の球場内のレストランはオリエンタルホテル直営=当時ダイエー傘下、売店もダイエー傘下の企業が運営していた)、こちらも保護地域として兵庫県が3球団のアンバランスを指摘され、福岡に移転した経緯があった。そこから中庸的に、ダイエー@オリックス戦が2年間GS神戸で行われた。Bの保護地域下であったので、阪神の許諾を得る必要もなかったこともあるだろう。おそらく2年間門田選手をBが拝借できたのも、この辺りの事情があったことが推察されよう。

そこで神戸市は、オリックスにドーム球場を作るという約束をし、移転を働きかける。移転関連の署名も市役所中心に集められ、実に組織的に流れを作った。また、当時神戸市の財政はバブル崩壊前で健全であり、建設事業も次々に進んでいった。そのため、移転もスムーズに進むこととなり、阪急との「裏約束」である愛称も同時に変更されることになった。実は年15億の中に、呼称使用料も含まれていたのかもしれない。

ところがバブル崩壊が悪影響を及ぼし、神戸市はドーム球場の約束を反故にする。同時期に神戸空港建設問題があったこともあろうが、神戸市は神戸空港を優先した。当初から三宮JR貨物駅跡地を使用することで検討されていたが、リーグ優勝直後にポートアイランドに計画を変更したものの、アクセスの悪さなどがあったのか立ち消えに。さらにオリックスはJRと話を詰め、97年に同じ貨物駅跡地で費用をオリックス負担で建設するお披露目まで内々に行ったというが、JR貨物駅跡の用地費用をJRが購入を求め、賃貸契約を希望していたオリックスと話が付かず、立ち消えとなった。神戸市は実際には何もしなかった。95~98年に肩にあったワッペン「がんばろう」KOBEが消えた事と、妙にマッチする。ある意味、ともにがんばろうというところから、勝手に頑張ると神戸市にサインを投げかけたようにも見える。球場の管理を球団に移管できたのも、この反故にされたドームの約束があればこそでもあろう。

実際に、BWは球場の改修に取りかかる、以前は球場外であったデッキを場内としてイベントを行う、食事の質を上げ、球場設備に手を入れる。フェンスを低くする、フィールドシートを作る等。しかしそれは成績の低調も相まって、一部ファンの支持は得たものの、大きな流れとはならなかった。それ以前に、DJ、フェンス高、フィールドシート等は他球団が敬意すら表せず、アイデアを拝借していくのみ。実際の収益にはあまり関与していないように見える。

また、BWとの経緯から、楽天の今年の神戸市への参入挨拶に、神戸市は招聘要請すらできなかったことも興味深くあろう。

いずれにせよ、神戸市が合併球団を呼び戻すことが出来るとするなら、JR貨物駅の賃貸契約を推進するか、神戸市が買い取ってしまうかしかないであろう。そのための時間はあまりにも少ない。またGS神戸での観客が大阪を大きく上回るための方策を練らねばなるまい。

ただ、その障害になるのは、大阪ドームの定員を消防法の37,450人(野球時)ではなく、48.000人としている「水増し」であることは言うまでもない。程度の低いメディアはG/Tに根本的に逆らってまで、「虚数発表」に反対はせず、その結果、「虚数」が「実数」として一人歩きし、多少実際のチケット販売を含め、大阪が少なくとも、その「実数」で決まった勝敗を支持せざるを得ないからである。

TB – own : 1:阪急・小林公平社長

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