最近、ランキングなどでもエントリーが多くなっている、MLBとNPBのレベルの差についてなんですけど、差がないとかおっしゃる方も多いようですが…。本質的に交流の無い同じと思われるスポーツに於いては、どちらがどちらという訳ではなくて、単純に「英語と米語」「韓国語と朝鮮語」の違いになっているように思うのです。
有る意味、2003年のアナハイムの優勝や、バリー・ボンズの敬遠(四死球年間190個前後という異常現象)が起こったのは、日米の野球の交流がシーズンオフとは言え多くなったから、日本式の現象が局所で起こっているに過ぎないんですよね。アナハイムの優勝は、1年の事象として考えれば良かったとも言えるけども、プレーオフでもないのに、1試合1試合の勝負ではなく「勝ち負け」に固執する野球っていうのは、日本人のMLB好きの人間が、カンサスシティやシンシナティが強かった頃に感じていた、おおらかでスペクタクルなベースボールというスポーツから大きく遠ざける事になったような気が、私にはしています。それと、ヤンキースのような考え方のチームが増えたことも。
レベル云々というよりは「異次元のスポーツ」であったのが、日本野球の悪い面が出ていて、更には意味不明のぜいたく税が与えたものと言えば、代わり映えのしないプレーオフ進出チーム(ヤンキース、ボストン、アトランタ… 1/4以下しか「驚く」チームが出てこない)に繋がっていて、日本人がMLBについて言う局所現象、要するにヤンキースやボストンやLAのようなビッグマーケットチームばかり…野茂でもデトロイトやミルウォーキーの時には日本メディアは重要視していなかった…「巨人」のような野球の見方をしているだけ…。
しかしながら、選手の質という面では、中位以下の選手は圧倒的にMLBの層が厚いのでしょう。というより、MLBの問題でもある、アメリカの選手の地盤沈下を中南米や日本人選手が埋めているという状況で、MLBのレベルが保たれているという側面も有る訳ですよね。その日本人選手達は「バイプレーヤー」であっても、日本では一線級であった選手ということからも明確な訳で。ただ、MLBの一流崩れの選手が来ても活躍できないことはあったわけで…Hにいたゴセージ、Gのレジー・スミスなんて典型でしたよね。
それを差がないと公言してしまうのは、如何なものか、と言う気が小生にはしています。オリンピック等で交流の機会が増えてきて、結果的にはMLB的な「ベースボール」が世界に幅を効かせようとしていますが、MLBにも日本的なものが入っていく…。それによって単純にアメリカの野球がサッカーのUEFA化して、南米のサッカーにNPBや韓国・台湾プロ野球が化していく。良否はさておき、そうなっていく。そして市場を広げずに、報酬だけマッチアップしようというソフトバンクのような会社が出てくる…。結果は、それだけでは同じなんですけどね。
国際化は有る意味、特化ではなく、平滑化を産んで行くもの。有る意味MLBを追っているだけでは、NPBはどんどん沈下していくだけ。その中で特色をどう産むか、ということがNPBが生き残る道なんでしょうけど、その取り組みも「好き嫌い」でメディアは取り上げる訳で。実際、スポニチではTがセに「寝返った」ことが「必然」であったとTへのゴマすりコラムが、先日大阪であったばかり。フィールドシートだって、BWが先陣を切ったのに、そのことは無視して、GやEが真似すればこれでもかと取り上げる。(Gがエキサイトシートと名称を変えても、それすら知らないメディアも多い…)そしてその「薄さ」を白々しいものと、野球に起こっていることに熱心な「ファン」以外は、しらけて見ていることも無視している…。そういう取り組みを大きな流れにしていくことが必要なのに…新しい魅力を付加していくことが。
そこに問題があるんですけども、それをレベルにすり替えるというのも、何か違うような気がしてしまうのですよね。
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「ベースボールと野球道。」に2件のコメントがあります
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>フィールドシート
同様のことが、Gのタオル回しにも言えますね。ロッテからパクってそのまま自分たちオリジナルのように発言があり、メディアも追従しそのまま・・。
記者の知らないことは、無いことにされるんでしょう。
>レジージャクソン
スミスではなかったですか?
>ハムぞーさん
あ、スミスでしたね、訂正しておきます。記憶だけで書くとこういうことはよくあります。
お詫びして訂正します。まあ、タオル回しは球団「直営」ではない「応援団」のことですから…別の問題ですね。メディアの問題は同じですが…。