昨日知ったのですが、イオングループは10万円の32型液晶テレビを販売したところ、即日どころか午前9時に全国で完売してしまったのだとか。地デジチューナーが付いていないのに、売れちゃったようです。まあ、需要はあるんでしょうね。

というより液晶テレビっていうのがそんなに優れているのかと言えば疑問がいくつか。

・画面が綺麗?

実際、電気店なんかで見ていると、液晶テレビの画質はコントラストが強く、綺麗に見えます。安いと動きの激しいもので、遅れて見えるものもありますけどね。でも、その綺麗さ(コントラスト=明暗の強さ)は30分も見ていると目が疲れてくる位の濃淡のものが(少なくとも小生には)多いです。小生宅ではブラウン管ですが、省電力を付けた上、ピクチャーを「-10」程度の設定にして、明るさを減じます。そういう調整をしたときに、動画への対応性を含めて本当に綺麗なものはそう多くないような気がします。

・省スペース?

昔の生まれだからかも知れませんが、テレビなんていうものは大画面になると、シアタールームでも作らない限りは部屋の角に角度を付けて置くものだという意識が小生にはあるのですが、液晶ならそうした場合に、本当に失うスペースがブラウン管テレビとそんなに違うのか?と思うのです。

・省電力?

本当に液晶だから「省電力」なのでしょうか。例えば32型のパナソニックの「Virea LS500」とブラウン管の「32D65」を比較してみますと…160W対170W。たった10Wの違い(7%弱)の違いしかないのです。待機電力は共に0.08W。省電力機能などを使用すると、ブラウン管の場合、より省電力が機構的に期待できますので、実際にはほとんど違わないとも言えるでしょう。

なんか電気店の広告っていうのはこの辺のお客さんの先入観に依存しているようにも思うんですよね。テレビの選び方なんていうのは、メーカーによる絵の違いが、実際に見る画面ではなく、店頭展示に寄った画面調整で比較しているだけのことが多いので、気に入る画質にして、その上で比較し、画質チェック・機能チェックをするべきだと思うのですけどね。そうしている人があまりにも少ないのが安易だなあと思ってしまいます。

実際に液晶テレビのメリットが大きいのは「小型テレビ」なんですけどね。

投稿者 wolfy

「液晶テレビ人気…でも?」に3件のコメントがあります
  1. JEITAの2005年1-5月累計国内出荷実績によれば、
    http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/shipment/2004/ship_12.htm
    ブラウン管TVが185万台(うち、21型以下が128万台)
    液晶テレビが143万台(うち、30型以上は37.1万台、デジタルチューナ付65万台)
    プラズマTVが12万台(デジタルチューナ付)

    ということで、市場実態は未だに小型ブラウン管と小型液晶が多数派です。

    大型液晶や地上デジタルチューナ付きテレビは単価が高い(メーカと店が儲かる)のと、
    総務省のアナログ放送停止”机上プラン”を大っぴらに批判しずらいのか
    メディア露出頻度は高いですが、客の方がメディアより遥かに現実的なようで。

  2. 薄型テレビと言っても、転倒を防ぐための置き台の奥行きが大きいため、
    思ったほど設置スペースを節約できる訳ではありません。
    パネルを割ったら全損扱いになる事を考えても、置ける場所は実際には限られます。

    TH-32LX500の奥行き、30.0cm
    TH-32D65の奥行き、54.8cm

    もっとも、板と直方体では視覚的圧迫感は大違いですから、
    その意味でもイメージ先行で、商材としてはPR効果が高いのでしょう。

    今のところは、大型固定画素TVをメディアは騒ぐし、客も憧れるけど、
    絶対金額の高さに阻まれ、なかなか実際には買えない。
    でも話題は先行するので、掲示板は活況を呈しているといったところではないでしょうか。

    見たい番組の多くである、アナログ地上波は、
    特に安い液晶テレビは、再構成(常時解像度変換)表示が非常に苦手なのですけどね。

  3. >Teruさん

    実際に液晶テレビとして使用する場合、人間の視覚としてそれほど影響がなく感じられる液晶の反応速度は実際には12ms以下(エプソンによる)といわれていますが、ほとんどの液晶テレビメーカーはそれすら公開していない。しかも大型液晶になるほど、速度は落ちるであろうことは機構的には容易に想像がつくのですが…。

    デジタルテレビはでも実際に画面を見ていて疲れないことは感心します。ゴーストレスというのがここまでいいものかと。見えなくていい皺は困りますけど。

    液晶テレビに省エネルギー基準がこれから設けられるということが、この分野での競争が「違うところ」に向けられていることを表しているのかもしれません。

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