今朝、WHOの決定を受けて、厚労省が会見を行った、メキシコで発生したとされる「新型インフルエンザ」フェーズ5入り。「豚インフルエンザ」との名称から、実は今週に入った時点で松屋がメキシコ産豚肉の使用中止を発表したりという風評被害が出始めている訳で。
そういう企業って、不安を振りまいている責任は取らなくていいの?
って思うけど、メディアもメディアで部分を切り取ると不安を駆り立てる画面構成で、コメントで「気を付けて、情報を入手して」と語りかける。でもその情報って正しいの?ってことは言わない。だって画面に釘付けにすれば、彼らは儲かるんだから。
現実的な話をすれば報道されている話はこう捕らえればいいと思う。
「メキシコは医療体制が不十分だから死者が多い。」
→一面ではそうかも知れないが、アメリカでも死者が出た。アメリカは医療体制は充実しているが、保険制度が充実しているとは言えず、実際5,000万人(2割弱)の人が無保険でメキシコと同じ問題を抱えている。
実は日本も変わらなくて、国民健康保険の滞納者は年々増加傾向。滞納者数は475万世帯と国民健康保険加入者の18.6%(平成19年度)。この状況でテレビで「疑われる場合はお医者さんに」と言っても説得力がない状況。医療の充実は安全保障にもなることをすっかりお忘れのようで。
「新型インフルエンザは弱毒性なので問題はない」
→弱毒性というのは、H5N1型のような強毒性がないという意味だけのことで、それなら緑膿菌による呼吸器感染症が無害だというのと変わらない。実際にはウイルス自体変異を起こすことによって生き残ろうとするもので、特にこの疾患はそれが顕著。人→人への感染を起こすことによって強毒に変異しないとも限らない。異なる動物間での感染が起こった場合問題にされるのはむしろその部分ということ。問題はある。
つまり必要なのは水際対策などの感染予防のための施策。
予算を付けるのであればインフルエンザに関しては一時的に全額を税負担で(ただしいわゆる包括としての医療費請求で)見るなどの施策をとらないと、患者数の把握すらできない状況にもなる。ワクチン製造施設増設のための施策も必要。新しい製造法でのワクチン製造のために治験がいちいち必要なのであれば、緊急対策とは言えず、避難立法を行うのが得策。
なのにだらだら議会をやっている。
危機感を表情に出す必要はない状況だけれども、対策を行うべき危機感まで欠けていてはどうしようもない。
また、この新型ウイルスは鳥・ヒトのものが豚を介して混在したという問題があったりするのも確か。スペイン風邪がスペインではなく、実際には米軍の軍事行動を通じて世界に拡散した、ということが日経のコラムにあったけれど、アメリカの水際対策は現時点で全く行われていないということで、これも理解に苦しむ。
また、本インフルエンザがアメリカ企業の「詰め込み過ぎの養豚施設」から出たという説(調査していないので留保)まであって、事実であれば、BSEに続いて効率性のために病を起こしたという、「20世紀への反抗」の一つの事象とも言えるのかも知れない。資本の自由が去年から否定され、移動の自由も今年から否定されていくのかも知れないなとすら思う。あと効率性の追求による利益の最大化も…。
そういうものを考えたときにメディアがスポンサーや背後にあるもののために「何が言えて何が言えないのか」を見て考えないと、本当の姿は見えないと思う。だけれども教育というものが「1つの決まった見方」を国語の回答として用意していることと、その一方で背後にあるものの理解をさせず、方法論だけの詰め込みをしている様を見たときに、それが体をなしているか疑問に思う訳で。
安全保障は軍事だけではないのに、すり替えるメディアや論客を見ながら、ふとそういうことを感じてしまう。
元防衛関係トップだった、現農相曰く、
国内の「豚」の調査を地方に要請しつつ、費用は全額国負担とか。
早速、別の閣僚から感染連鎖と総選挙がifでセットにして語られたことと言い、
集票組織という「プロ」を抱えてないと、
国保加入者の安全保障の方が軽んじられるとは。
その国保自体、親の未払いが子に波及する連鎖貧困類型を相当数経験した後、
後追いで暫定対応している現状ですし、
マス(疫学、病原体伝播)で見てミクロ(保菌者の生活判断)抜きだったのは、
HIVキャリアへの対応(感染判定までで、後は抜きの告知)という
先例もありました。
にもかかわらず「新」感染症は「未曾有」だから、
政治的得失は抜きだと言わんばかりの「広報」。
それは違うだろうと。