今日辺りは日本航空を採算部門と路線を新・JALに移行して資本注入して再建、不採算部門と路線を別会社にして整理する方法論、なんてのが出ているのだけど、ここで一つ言えるのは、不採算路線が何故生まれるのかということの一つに、日本国内線の運賃システムが国際ルールから見ると非常識になっているということを知らないといけないわけで。
地方路線が何故不採算になるかの理由の一つに、特定空港にしか出ず、特定時間帯のみの運行ということがあるのだけど、日本の航空運賃は離島線を除いて「区間毎」に設定されているので、特定路線以外に行こうと思えばコストが高く無理になってしまう、ということがあります。それが結果的に需要の多い東京・羽田線に路線を集中させ、その結果なんにせよ東京からの便が良くなり、集約化に寄与している、という側面もあると思います。
ところが世界的に見ればこのようなのはまれで、国際的には「直行」して1区間で行っても、「乗り継いで」2区間で少し遠回りしても同じ運賃というのが「世界基準」です。日本も昔はそうだったのですが、上級会員になるために遠回りしたり、区間を区切ったりする人が増えるため、廃止した経緯があります。
そうなれば、実際に求められるのは、こういうことです。
・例えば北海道からのすべての北海道内の地方路線は新千歳に、東北は仙台にシャトル便のような(リージョナルジェットやプロペラ機を)飛ばす。
・主要空港間(東京や大阪からなら新千歳・仙台など)は737以上の機材で頻回に飛ばす。
・乗り継ぎは見なしの路線名(便名)を伏して、乗り継いでも同料金・同一マイル・1区間扱いでの加算を徹底する。
これがハブ・アンド・スポークシステムです。
アメリカではサウスウエストやジェットブルーなどが、point-to-pointでのローコストキャリアとして運行していますが、日本では主要空港については発着数が限界の空港が多いため、日本ではこのような運用は難しく、ハブ・アンド・スポークの方が理にかなっていると思うのですが。
大阪ー青森のように1日2便で、結局飛行機の時間都合で、3~4時間程度待ち時間が出来てしまう状況は、あまりにも、という気がしますしね。
そいういう航空システム的な観点からの空港建設、運賃決定などが実施されていないこと自体が問題のように思うのですが…。