神戸新聞の23日の夕刊にこんな記事が。
2010年度経済財政白書に、先進国の中で「日本だけが慢性的に需要が供給を下回る異例の事態に陥っている」とし、それにより失業率を2%程度押し上げていると推計した。と記載したのこと。
グラフを見ても、バブルの最中であった1988-1993年の間を除いて、1975年以降一貫して需要不足の傾向であることが理解できる訳です。
需要が供給に比べ少ないということは
・価格の下落に繋がりやすい
ということな訳でこの白書では「新たな産業と雇用を作る」ことを述べているけれど…
どうなんだろうか?
需要不足ということは
・需要を上げるか
・供給を下げる
しか無い訳だけど、なぜか需要を上げる話ばかり。
例えば、日本はアメリカの一般的家庭に比べて物は豊富にあるし、問題としてはサービスへの需要が少ないこと。そこを上げる、という論点もあるけど(介護やら育児やら)…
でも、供給を下げるというオプションはないのか、ということも考えるべきだろう。構造的に供給過剰が長期的な価格低下に拍車をかけていることを考えると、「正しい数量で正しい利潤を上げる」という考え方ではなく「多い数量を薄利で」という流れになっている現状を考えれば、方向転換が必要じゃないか、という気がする。
賃金の安い国との競争もあるけれど、流通にしても適性利潤が上がっているのか、という課題もある。コストカットと言えば聞こえが(最近は)良いけども、中間業者が適正利潤を上げられていないと感じることもある訳で。
この辺りの課題が、どうも右肩上がり社会を未だに念頭に置いていることが、非常の問題と感じます。そもそも人口減少では、それは非常に難しいのではと思いますしね。そこの対策もこども手当ひとつとっても散漫な施策のような扱いになっていて、根本的に社会の何が問題かを考えないように「させられている」。
そこが最大の問題のような気がしますね。