au 新料金プランの一般・投資市場・会社の見方から。

By | 2017/07/10

[要点]

・auの今日発表の新プランの売り上げの影響=実質値下額は「約1%強」。
・にも拘わらずメディアが「2割」と大きく扱う。
・つられて市場も株価下落に大きすぎる反応。本当に分かってる?
・Appleの新規/機変は対象外となっているけど、実際には協議中とのことでまだまだこれから。
・実際には通信料と端末価格の分離が目的かなと。アメリカもMNPは端末持ち込み中心に。

[本文]

今日、2017/7/10に発表されたauの新料金プラン。
日経などが2割値下げなどと報道したので、期待は高まりましたが、

KDDI、スマホ料金2割下げ 格安台頭に対抗 2017/7/8 2:01 日経 電子版

ふたを開ければ、「まあ、そんな感じ。」

それもそのはず、社長が記者会見で200億円の影響、と言及しているのです。
200億円というのは、auのモバイル通信料収入の売り上げ高の1%強(2017/3期で1兆7863億円)。

KDDIが新料金プラン導入、還元額は今期200億円に (ロイター 7/10 15:04)

日経の飛ばしってなんやねん、ってことでもあります。

iPhoneが、という声もありましたが、上記のロイターの記事では

auの新料金プランは基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載の全端末を対象にスタートする。田中社長は「安い端末限定にするとプランが広がらない」と語った。「iPhone(アイフォーン)」を提供する米アップル(AAPL.O)とも現在、協議中という。

とあるように販売方法でAppleと協議が済んでいないので、新規・機変を対象にしなかったと明確に記載しています。
まだまだこれからということですね。

これに対してKDDIの株価が日経平均とは逆方向に3.5ポイント下振れするという。市場も値下げ幅を間違って理解。
ほんとに株式市場はリアルな市場を理解しているのかな?と言える事態に笑うしかなく。

7月10日、日経平均株価の終値が先週末比で+0.76%高となる中、KDDI(9433)の終値は同▲2.7%(▲80.5円)安の2,909円で引けた。下落のきっかけは週末に観測記事が報道され、10日午前に正式発表になったauの新料金プランだ。
(略)
料金の値下げ幅にはプランで幅があるものの、従来料金よりお得になる。既存ユーザーすべてが対象となるためau利用者には嬉しい話だろう。 (略) しかし、収益面では料金収入の減少はそのまま利益の減少要因になる。当初は損益的にマイナスの影響が出ると株式市場は見ていると思われる。(略)

今回の料金改定は利回り志向の投資家には悩ましいものになりそうだ。
【KDDI株大幅安】au値下げで笑う顧客、泣く株主

「あんまり喜んではいないのだけどね」(笑)。

ただ、以前は途中解約金を撒きまくっていて、新しい電話が今ならただ!とやっていたアメリカですら、最近はSIMロック解除した端末を持ち込んでのMNPを訴えるように代わり、毎月の価格も、通話データ無制限(実際にはデータは会社により23~27GB/月で制限がかかる)で、1契約$70~100/月、家族で4契約セットなら$160~180/月と安く。代わりに端末はバーゲン品を除いてはほぼフルプライスというものが増えています。

あ、Sprint(=SoftBank) だけはiPhone7のディール推してますけどね(汗

まあそういう端末とサービスの分離という流れなのかなと感じています。

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