先日、アウェイゲームで、横に座った方と話していて、
「なんで前のめりで声出してるんですか?」と聞かれたことがあります。
実はこれ、楽だからでもなんでもなくって、
横の方の耳に影響が少ないように、前のめりになっています。
実はそれだけで音圧って数倍逓減されるので。
で、そこから、「この人」がアリーナで声を出す時に、
どんなことに注意しているのかを他の人に話したら、
「そういうことって興味深いので、書いてまとめた方がいいですよ」
って言われたので、ざっくりまとめてみることにしました。
1.出す前に考えること
・昼と夜
夜は空気の問題、周囲の騒音の影響もあって、音がライブになりやすい
つまり通り易くなります。逆に昼はデッドに(通りにくく)なります。
・観客席の埋まり具合
お客さんの数ではなく、空間の埋まり具合によって、ライブかデッドかが決まります。
もちろん、埋まっていれば、デッドになります。
人間って結構吸音材だったりします。
・周囲の人の状況
声を出してくれそうな人、あるいは出している人の方向を確認しておきます。
手で口の前で方向付けをしたり、横を向いたりして、
テンポを合わせることがあるので、その把握をしておきます。
もちろん人が横にいるとちょっと前のめりになります。
ただ癖になってしまったので、いないときでも最近は割と前のめりです(汗
・会場のサイズ・屋根と壁の形状
どうすれば通り易いかは一応予測します。
2.実際に出してみる
以上を把握した上で、さて、声出してみましょうか、となります。
声を出した時に
今日の自分の鼻・のどの状況を掴んでおく
変な力のかかり方になっていると、のどだけではなく、腹筋や広背筋、ひどい時には脚まで無駄な力がかかっていることがあって、エライことになりますので、そこを修正します。
もちろん失敗することもありますね(汗
初め声でないのに、2ピリ位で声大きくなった時はそういう時です。
エコーの返り方で声の出し方を調整する。
フルに声出さない方が通ることもあります(平塚など)。
以上のように微調整をかけながら、そのあと、終了まで声出しをするわけです。
性格の問題かもしれませんけど、実は結構音響科学的でもありつつ、
職人仕事のようでマニュアル化しにくい部分ですね。
というか普通はここまで考えませんし、小生の個人的な方法論ということです。
他の方はここまでする必要はないかもしれませんが、
こういう考え方もあるというで
新たなアプローチをする際の一助になればと思います。