アジア野球選手権ご覧になりました?
走攻守共にスピード感のある選手でそろえた野球は、1敗が大きな意味を持つこの種の大会には向いていることを証明したような気がします。少なくとも、「打つだけ」の人がいたシドニー五輪よりははるかにいいチームです。

ところで、この大会で、ホームラン何本あったか覚えていらっしゃいます?
実は12試合で2本しかありませんでした。(台中戦と中日戦:共に前者チームが1本ずつ)この理由は明確で、投手が良いこともありますが、それよりも解説者も良く口にしていた「飛ばないボール」によるところが大きいと思われます。事実、今年から「飛ぶボール」を使用するとしていた中日は、福留選手が34本塁打をこっそり(?)記録するなどという効果も産んでいます。

パリーグを例に取ると、1995年、今年話題になった小久保選手が本塁打王を獲得しましたが、そのときのホームランは「28本」でした。この年のリーグ本塁打数は「624本」。この後、1999年に改築で両翼を6m広くした西武は、前年の115本から、89本(’00)、97本(’01)に。1997年に大阪ドームに移転した近鉄は、前年の146本から112→126→151→125と推移しました。

ところが2001年、状況は一変します。前年のリーグ753本がなんと1064本と1.5倍増。西武に至っては倍増の209本、ダイエーは129本から229本、近鉄も199本など、各チーム異常な伸びを示し、結果、ローズのシーズン日本タイなどの話題を呼びました。

時代背景をここで語らなければなりません。

2000年、イチローがオフにメジャー移籍しました。メジャーでは、1996年のストの影響で客足が落ち、インターリーグを開始するなどの対策を行い、1998年のマグワイアとソーサのシーズン本塁打記録更新が日本でも話題になったのは、記憶に新しいところです。実はこの次の年(99)、シーズン当初ホームラン数が多くなり、ラビットボールの疑惑が出ました。実際、97,98年は全チーム平均で、170本弱/チーム・シーズンの本塁打数でしたが、99年以降184,190,182と比較的高値が出ました。但しこれは98年に2球団拡張した影響と考えられなくもない程度の増加でした。2002年以降は169, 174本と元に戻っています。

ところが、この後パの本塁打数は 869(’02), 1000(’03)とあまり傾向は変わっていません。一方のセは1999年は662本と少なかったものの、概ね800本前後で推移していました。ところが今年は横浜がタイロン・ウッズという条件があったにせよ、倍増の192本になるなど、主砲の移籍・欠場が響いた広島の減少、またヤクルトの変化なしを除き4チームが大幅増の921本と90年代以降の最高本数になりました。

個人的にはバの試合をよく見ていますが、全体的に制球が悪くなったとの印象は受けません。むしろ「反発する」ボールに対応するためか、単にタイミングをかわすための(2段~4段程度までありますが)変則モーションが横行しています。

私としてはこれらの点から、飛ぶボールが横行していると判断しています。実際外野フライの飛び方、おかしいんですよねぇ…。

このような状況下の野球で今後国際舞台で対応できる選手が育つのか、それよりも国際ルールで「ボークを取られず投げられる」投手がどれだけ残るのか、疑問でなりません。

「球の反発力」はともかく、「変則モーション」に頼るダイナミズムのない安っぽい野球で、本質的なファンが増えるのかどうか非常に疑問に思うのは私だけでしょうか。

#んなん書いてるから寝むれないんだよねぇ。

投稿者 wolfy

“飛ぶボール@プロ野球” に1件のフィードバックがあります
  1. パ、今年はヒットのインフレ?

    trackback – own : [飛ぶボール@プロ野球]
    今年のプロ野球、BWのチーム打率.331を筆頭に、少し妙な感じです。投手にあまり変わりはないんですが。ちなみに昨日15-8という壮絶な試合をしたFも、チーム打率.308とリーグ2位です。(以下、Bu .286, L .285, H .261, M .227) まだ平均して…

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