今回の合併問題については、私自身は「合併やむなし、(主)本拠地神戸、名称はBW継続」の支持なんで、近鉄ファンの方には耳障りの悪いことも言っていると思いますし、神戸移転以降にBWファンになった方にも、良くは響かないだろうと思います。そこで、あくまでもブレーブスの売却ということを、ファンとして経験したことから述べさせて頂きます。

確かにブレーブスの売却というのは衝撃的でした、あまりにも時間がありませんでした。最終戦でも、法事の関係で結局行けませんでした。最後も看取ることはできませんでした。オリックスに名前が変わって、すぐの年の西宮の試合。球場の演出も力が入っていませんでした。成績だけは門田の獲得などもあって良くはありましたが、とにかくおざなり。場内のビジョンのイラストは白黒。しかもそのイラストの帽子、ユニフォームには「ORIX」とあって、どこにもブレーブスはありませんでした。

今から考えると、この時既に、ブレーブスという名前と、西宮を使わないことは決まっていたのです。年間使用料は第2球場、寮を含むとはいえ、年間15億円。しかも、西宮の再開発計画が既に内定しておったそう。一時阪急を私も回顧した時期もありましたが、売却した小林公平という人物は、先代の娘婿ということもあり、創業者小林一三氏の考え方である、沿線とともに発展するという考え方を外れ、バブルに乗る経営を行います。当時のOS劇場周辺の土地の買い占め、茶屋町の地上げ。西淀川中島の土地買い占め等。要するに創業者一族より派手な動きで自分をアピールしたかっただけなのです。さらにはブレーブスに対しても保有する意味がないとしていたのは彼のようです。実際、最近退任するまで行って来たことは、阪急(ブレーブス)という球団を持っていた歴史隠し。それでこのチームは売られたのです。おそらくブレーブスという名前も、当初契約の背後に、権利関係を押さえられてしまったのでしょう。その猶予が2年間だったと。

しかし、そういう回顧ファンは未だに購入してくれた会社を馬鹿にして、本気でブレーブスを返せと言っています。無知は重大な罪ですね。同じように売却の度に揉めているからこそ、新規に購入しようという企業は減るとも言えます。売却と、本社が業務滞るようじゃね。安直な行動が首を絞めている面もあると。

で、実際には、その後優勝したとは言え、15億円程度の「広告宣伝費」無しには、8千万の利益を計上できなかった訳で、選手が優勝後のインタビューで、この辺のクレームはしていまして、ファンもケチだと言っていましたが、その背景にはその金銭があったことにはほとんどのファンは無視していました。ただ、この会社には理念と、適正規模の運営という当然の論理があります。それが現実にはファンにも、選手にもそのような概念はありません。企業名外しも、日本の税務処理の問題で、拠出金の6割程度の法人税の支払いが必要なことも、知らない方が多いようです。

さて、近鉄に話を戻しますが、現実に合併反対の署名が行われています。市民球団を目指せと心地よい言葉が流れます。でも、実際に年間指定席は4,000席以下しか売れていないように見えます。たった20万程度の「スポンサー」でもその程度しか集まらないのに、どうやって40億も持ってもらえるのでしょうか。1人5万円で後援会を、と言いますが、必要なのは8万人ですが、3,000席限定の内野の年間自由席すら買わない人が支えてくれても、1年でしょう。現実として、市民球団としたいなら、署名より、現実的なスポンサーや受け皿を探すのが適切で、ファンの意識を指定席の購入などで示すことが重要だと思うのですが、実際にはそういうことがありません。

また、横浜FCを例に挙げる人もいますが、財政規模が近鉄で130億、オリックスで110億程度?のプロ野球と、せいぜい数億円のJFL→J2チームとは違いすぎますし、実際、当時は「市民球団」でしたが、途中からIMGというマネージメント会社に牛耳られ、ソシオ自体も横浜FC運営会社の委託会社を代表として扱い、結局は「会社」に言いくるめられている、なんてご存じないでしょう。

ということは、せいぜい機構に保護を訴えるというもっと意味のある方向を短期に提示するか、そうでなければ流れは合併に行かざるを得ないと思います。

名前が変わること、チームカラーが変わってしまうことが辛いのは分かります。でもそれなら、なんでもっと早くに、それも近鉄は当時の南海のように、何度も危機に関する情報が流れていたのに、対応をしなかったのでしょうか。ファンも現実には、与えてくれるのを待っていて、「それにケチを付ける」のが仕事になっていないでしょうか。

合併には問題はありましょう。ファンを辞めるのも結構でしょう。でも合理的に考えて止むを得ないというのであれば、断腸の思いで享受するか、あるいは他のチームに移るかを考えてください。お願いですから、新チームに、近鉄・パファローズの名前を使って自分の行動が正当であるかのような批判を加えないでください。それは、背景を知らないか、昔のチームを貶めるかのどちらかであるケースが多いです。実際、ブレーブスの名を貶めていた奴らが、大阪ドームにいた時期もありましたから。BWが打てばブーイング、点を取られれば歓声をするような奴らがね。ブレーブスの応援席って、そんなんじゃなかったよね。でも知らない人には、そう見えてしまうってことを知らないと。

実際、現状は、健康診断で胸部X線で陰影があって、「早期診断が必要」と出ていたにもかかわらず、医者にかからず、手遅れになった肺がんのようなものですから。その状態で、「患者を救うのが義務だ」と医者に訴えるだけでは、患者さんの為にもならないことで、それよりは、ホスピスに行くか、臓器提供(実際にはがんだとダメな部位多いですが)をするか、それとも徹底治療をするのかを考えて早期に行動に移すのが、患者のためだと思いませんか?

感情が先に来るのは理解しています。でも、少し合理的に、自分が本当にチームのためにしてきたのかを考えて、どのように現実を受け入れ、または何を拒絶すべきかを考えるべきではないですか?で、プロ野球がどのような形であるべきなのか、を考えて普段から意思表示が必要なんじゃないですか?

要するに政治と同じ問題が、野球でも起こっているだけじゃないですか?

西宮球場横を毎日通りながら、観戦に行けなかったシーズンに、売却された経験を持つ者として、言えるのは、そういうことです。

投稿者 wolfy

“近鉄ファンに思うこと:過去の経験から” に1件のフィードバックがあります
  1. BWとBuファンの見解の相違について

    tb – own : [近鉄ファンに思うこと:過去の経験から]
    一般的な掲示板において、BWファンとBuファンの見解に相違があるという指摘が数件あって、主なところは、ブルーウェーブファンは、「自オーナーに賛成、合併(消極的を含め)賛成、本拠神戸、名称BW継続が当然」が多く見られ、バファローズファンは「チームは好きだけど、親会…

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