選手会は27日にも合併差し止めの仮処分申請を行うとのことです。これは特別委員会の招集を行わない事、および選手会が求める合併の1年先送りによる、合併回避策の検討を行うという提案に対し、明確な回答が得られなかったため(ニッカン)とのことです。
機構側は、特別委員会の非招集は、選手の雇用は維持されるため開催せず、と述べています。また、特別委員会を開く場合も、議事の賛成には3/4以上の賛成が必要であることは以前に述べた通りです。(選手会から4人代表が出るだけで否決出来る)
さて、問題になるのは、この仮処分の実効性の有無です。
仮処分命令については、民事保全法の適用で、この23条にその必要性についての記載があります。
第23条(仮処分命令の必要性等)
1. 係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2. 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。
3. 第20条第2項の規定は、仮処分命令について準用する。
4. 第2項の仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
つまり、実効性があるかないかは、特別委員会の開催の有無ではなく、「債権者に対する著しい損害又は急迫の危険」があるかどうか、に係ってきます。運用上は、雇用危機があるかどうかという形になるため、今回、全員の通常の雇用維持について言及されている中で、雇用問題がそれでも存在するのかどうか、実害を訴状で特定できるのか、によると思われます。また、今まで合併により、将来的な人減らしが懸念される場合、労働者が合併差し止めの仮処分を申請したケースや、行って実際に合併が止まったケースを寡聞にして存じません。
そんな状況の中で、今後の裁判を松原選手会事務局長さんは語っていますが、実害を特定できない場合は、通常の民事訴訟でも、訴え自体が棄却される可能性が高いのではないか、と思います。
まずは訴状を拝見したい、というのが正直な気持ちです。