デイリーによると、中日球団は、選手会にストによる賠償請求を行わない代わりに、契約更改時に調整することを表明。選手会はお金を持っていないので請求できないとしながら、損失は球団内で処理するとコメントしました。
デイリーには、識者のコメントとして、スト決行時の文章が「労働問題」に触れただけで、主が「球団数の維持」であったところから、違法とせざるを得ないとの見識に立っているものの、逆に訴訟を起こすことは、機構側の支持の一層の低下による自殺行為との記事が出ています。
しかしながら、違法行為で自らの正当性を訴えることは、例えば試合中に観客がグラウンド内に侵入し、自らの主張を訴えることを「合法化」してしまう側面もあるというのも事実でしょう。そうなると、このような対応が現実的に取られることもあり得るものだと思います。NHLの労使交渉では、選手会が自らの提案には、現在の報酬を、締結の瞬間より、一律5%減俸(ロールバック)する、という具体的な提案があるのと比べると、選手会のこの問題に関する提案は、現実として、どれだけの総額を減らすのかという提案もなく、そうであれば、応報されることも十分ありえます。ストの決行というのは一般的に労使関係を悪化させますので、より収益に応じた報酬という方向に行く可能性はあります。
実際、Jリーグも、読売外しをした時に、年俸をリードしていたヴェルディの高額年俸選手の放出が相次ぎ、それが概ねほとんどのチームに波及しました。その結果、1億円以上は日本国籍の選手では楢崎(名古屋)だけになりました。選手会が進める方向性が、読売外しに行くということであれば、同様の痛みが発生するのは明白であり、巨人頼りを止めると言うことは、(全体としては良い流れになるでしょうが)一時的に年俸を下げざるを得なくなります。正に因果応報にならざるを得ない訳で、ストはそれに火をつけたという現実は見ておく必要があるでしょう。
いずれにせよ、今オフは「厳冬更改によるホールドアウト(契約保留)」選手が増えるのは間違いないでしょう。
# 2004/9/21 14:15 tb 追加
スウィンバーン症候群 「セ・パ両リーグ誕生の歴史」
- 上記記載内の「中日は損害賠償請求しない」の記載は適当かどうか、小生エントリーより不明とすべきであるとの立場からtbを追加しました。また、小生blog内に分裂の経緯以上に重要と思われる「黒い霧事件」について記載しておりますので、ご覧いただければ幸いです。