選手会への「欺瞞」：昨日のニュース23より

昨日のTBS系、「ニュース23」も面白かった。坂井さんより井箟さんの方がよっぽど経営の事考えてるわ、と実感させられた。だって坂井さんは西武時代は、コクド絶好調でジャブジャブ資金が使えて、その後は福岡というある意味市場として恵まれた地域に行った訳で。それに比較すれば、井箟さんは神戸という競合市場。しかも、地域が実質神戸・明石・姫路・三田・三木（補足的に芦屋）という極めて限定された市場で戦ってきた人。辛さの度合いが違います。

そこで語ったことは、球団経営に係るのは選手の年俸（ここで掲示された「年俸」にはやはり、外国人・監督・コーチは含んでいませんでしたが）とそれ以外の「人件費」と言及。「例えばスカウトがドラフト候補が海外遠征に行くと行けば、付いていくと言う。何故かと聞けば、『それが誠意だ』という」と爆弾発言。さらには一場選手絡みの「栄養費」についても触れるなど。「いろいろ世話になった」とか言う選手も多いし、うちでも三輪田さん絡みで球団は批判されたけど、実際には三輪田さんも、候補の人をいろいろ世話して、それで入ってくれた選手が多かった訳で、それはある意味プロアマ規定上どうか、と言う問題を含めて、実際には問題があったけど、誰もあえて触れなかった問題。そしてその便益を受けて来たのは「今の選手達」であって、選手会もあえてそれに触れなかった、そのことを思い起こさせてくれました。

それは、選手会が交渉で、BWが提出した財務諸表にコメントすらしなかった理由でもあると思う。お互いに膿を出すのではなくて、一方的に不利だった選手会の優位性を出すためであったこともあるだろうけど、それが誠実か、と言われれば、実際にはそうではないのは事実。この選手獲得費用絡みで選手会は問題視していると言いながら、自主調査すらしてこなかったのも事実。それには誠意を持って交渉してくれることを祈っているが、スト問題に入って以降、最近ファンにもこれらのことを明示していない。実際には隠し、これからの選手に一方的に自分たちが得てきた物を渡さなくすることにより、「解決した」とするつもりではないか、という疑念を持たざるを得ないんじゃないかと。

選手会の交渉には問題があるとの見解であることは、以前より述べてきたけども、古田さんが昨日「個人的には2006年より参入の確約でよい」とした発言。確かにこれは評価に値すべき。でも、付け加えた「選手会から提案することではない」と言う発言は、「奢り」ではないのだろうかとも思ってしまう。(サンスポ)

何よりも、昨日なぜか公表された、小泉BW社長が、交渉の中で、「パの球団増で、バランスを欠くようなら、巨人がパに移籍することもある」様のコメントについて、事実関係はともかく、オーナー側の「1リーグ」への不容易発言として取り上げさせたい意図があったのだろう。でも、そう言う断片のみで誘導しようという姑息な事ではなく、何でもオープンにさせようというのであれば、選手会は、交渉委員会を何故公開しなかったのだ、ということに言及せざるを得ないんじゃないか。そして、それをどのマスコミも聞かないことに、欺瞞を感じてしまうんだな。

支持が9割を超えるという報道が延々流れることによって、よりその傾向が強まり、中庸な意見がそこそこの率を占めていたという事実があったことはどこかに行き、更には「大衆受け」する「感動の物語」が率が取れるというメディアの安易な考えで、一方的な報道になっていて、またそれに酔ってしまう…ある意味「巨人一辺倒」になるメディアと同じ構造になっている…怖さは、みなさんに、少しは感じて欲しいなと思うのです。スポーツ紙が、前の日のスポーツニュースと同じ切り口になるのとも似ている、日本人のマスで見た場合の一面性というんでしょうか。

そういう意味で、この問題を回避している選手会にはある意味の「欺瞞」を感じてしまうのです。

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