アメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ第6戦、ボストン@NYヤンキースで起こったことは、日本シリーズ1戦で起こったことと、好対照になりました。この試合では2回抗議で判定がひっくり返りました。どちらも勝負の要でしたが、抗議は5分以内で終了しました。

まず4回表のBOS1-0NYY、一二走から、ベルホーンがレフトに大飛球。実際にはフェンスを越えましたが、2塁塁審が判別が付かずインプレー。2塁打扱いとなりますがボストン側の抗議を受け、6人の審判が協議のみを行い、場内放送もなく、2塁塁審が腕を廻してホームランの動作をし、判定を変更します。これにヤンキースのトーレ監督は抗議しますが、説明のみで3分程度でベンチに下がりました。

次にBOS4-2NYYの8回1死1塁で、ロドリゲスが投ゴロ(1塁側)。直接タッグプレーに行きますが、ロドリゲスがグラブを左腕で叩く形になり、一審はセーフの動作。(一塁手の裏にいたので、叩く動作が見にくかったと思われます)一走生還し、打者走者は二塁へ。これも「抗議」で6人の審判が協議し、一審が動作のみで一塁アウトを宣します。またトーレ監督の抗議があり長引きますが、5分と続きませんでした。

結果的にロードのボストンに結果的に有利な判定に「覆した」形であったので、9回表途中から、警官を場内警備に当てることとなりましたが、試合はそのまま4-2で終了。7戦に続くことになりました。

ここで感じたことは、とにかく審判団で協議するというということが徹底していること。またその結果、判定を「覆す」ということを恐れていないことに感心しました。恐らく日本で判定を覆すことを恐れている理由には、相撲の「3取組指し違いがあると降格」の文化が何故か野球に持ち込まれているんじゃないか、と思うのです。また、ビデオリプレーが大きな意見としてMLBで出てこないのには、アメリカの短い歴史の中で長い歴史であるスポーツを歴史として大事にしているからではないか、と言う気もしてきます。

日本では「権威より先にきちんとした判定」と言う「ファン」が多いようですが、その環境はファンも選手もある程度審判に敬意をもって接しないと出来ないと思います。裁判官に威厳があるのは、どこかに「お上」という意識があるから、というのと似ているのかも知れません。裁判官の判決内容とか任命実態はともかく。

いずれにせよ、ボストンのシリングは本当に力投でした。このシリーズ1戦で靱帯部分断裂、患部露出防止のための縫合部から出血しながらの好投。

放送も、MLB.tvでFOXの解説で聞きましたけど、野球に敬意を持っていますね。初めから、どこかの国のように、出来合いを含めた感情の押し売りはなく、本当にFall Classicと呼ばれるに値する放送でした。

このシリーズ、既にワールドシリーズを含め、プレーオフ(7戦制)で0-3から初めて3-3としたボストン。この好投と、判定の流れも含め、ボストンに流れが来ていますけど、何が起こるか分かりませんからね。

とりあえず、私はボストンを押します。


投稿者 wolfy