キリンもビールテイストの「雑種」ジャンル参入ということで、第3のビール参入として話題になっています。TB元のinyoさんも仰る通り、じゃあ「第2のビール」ってなんなんだ?ということはあります。

小生の考えでは、日本でビールというものがあまりにも発達しなかったのは、酒税がビールに対して著しく高いことと、ビールに対する先入観から、新商品があまり定着しない傾向にあること。でもそれはインスタントラーメンでも同じことで、それを発泡酒、雑種②とカテゴリーを変えることで、結果的に新商品を受け入れる土壌ができただけに過ぎない気がしているのです。まあ、その中でも一番搾りは傑出しているのですけど。小生は「スーパードライ」は認めていない人なんですが、3日の新年会で、某山崎な会社の人が来ていて話したのは、スーパードライは日本人にとっては「和食向き」なんだよなと。あ、そういえばそうかなと。口直しにというか、別の味を楽しむためのものか…と。

ただ、彼は以前に「一番絞り」はキリンしか作れないビール、と明言していながら、「いやぁ、どこまで絞っても一番搾りですから」という名言も残したり、面白い奴なんですが、やっぱり、酒飲みにとってのビールの立場が弱いというのか、モルツのサーブで「空気を入れすぎると苦い」という話をすると、「麦芽を使うから」というちょっとずれた話に行ってしまう。実際にはホップですからね。彼はワインとかウイスキーが専業であったので、交流はあれども、それでもそういう感覚であることに、有る意味その会社で、ということを含めて、ビールの位置というのは低いんだな、と思います。その彼は、発泡酒と雑種②について、特にドラフトワンについては「良くあそこまで違うものにまとめた」という面白い表現をします。実際、小生もあのえんどう臭い後味が実は好きということもありますし、それはビールの後味ではないことを感じています。

ただ、北米のローカルビールにおいては、小生は麦芽とポップからなる物にしかお目にかからないですし、それらは明らかに日本のビールと違い、雑味がない印象があるのです。というより日本のビールは苦みを重視しすぎているというか、ホップの使い方が違うというのか。そういう印象の後味が残る。そしてそこからバラエティーがなかったので、新たな層の獲得ができず、それが発泡酒などの余地を残して、本来はビールがしめる筈の部分を取った様に感じているのです。

いやあ、日本のビールのうちひとつが、モルソン・カナディアンになったら、そればっかり飲みますよ…でも日本でタップで飲めるのは、毎年10月の空中庭園でのインターナショナルビアフェスティバル位しか知らないので…。ビールというのは甘み等もあるもんだと、向こうのビールが普通に飲めるようになるまでは思ってませんでしたから。

酒税がアルコール度数依存に調整されれば、もう少しビールのバリエーションは増えるのかな…と思っていたのですが、そういう友人との会話などを通じて考えてみると、実際には日本人の「ビール」に関する概念自体、固執している状況では、一部で流行っている外国産のビールに逃げる人が出るか、「他のビール」に行く、というのは日本でのNPBに対するMLBファンの80年代中盤の状況と同じなのかも知れません。多くの人は周りがボートに乗らないと一緒に乗ろうとはしないでしょうから、当時「何見てんの!」と小生が小ばかにされていた状況が、いくつかの転機が連鎖性を持って発生しない限り、今の(局面的な)MLBブームと同様の、NPBの縮小均衡様の状況となるのは止むを得ないのかも知れないな、と思うようになってきました。

というより、ビールのメインフレームの新製品がここ数年市場に出てこないのでどうなの?と思いません? 利幅が大きいからやってるだけなんですかね>「ビール風味アルコール飲料」 ならそれはそれで悲しいことですが…。

TB – Re: 「第3のビール」に思うこと。

投稿者 wolfy

「ビール、発泡酒、雑種②、リキュール類…。」に5件のコメントがあります
  1. TBありがとうございます。すごい。あんな簡単な記事からこんな洞察が。。^^;
    難しいことはよくわからないですが、「日本のビール」って確かにあると思います。
    はじめてベルギービールを飲んだときにはこれもビール?と驚いたものです。
    とはいえ、ベルギービールが和食に合うとはとても思えないし、それよりは
    日本の第2のビールである発泡酒の方があいそうな気もするし。。
    ともあれ、ある程度は仕方がないことなのかも知れませんが、税制が変わるたびに
    消費者をだますような飲み物ができたり真に美味しいと思えるビールがなくなったり
    することは避けてほしいな、と思います。

  2. 小西酒造と月桂冠に「もっと」がんばってもらいましょう。
    (月桂冠がドイツビール・ドイツワインを輸入しているということを今週知りました(^^;)

  3. >inyoさん
    いえいえ。
    第2のビール自体、自民党税調の嫌がらせで麦芽比率を1回下げられていますので、もうなんとも言えないですよね。それ以前に、実際には税金を除いた価格が同等であるということから、開発費さえかければ原材料費が安いと思われることが問題なのかも知れません。
    やっぱりベルギービールには肉ですよね…。

  4. >すえよしさん

    日本酒メーカーって一時の地酒ブーム時点で、もう低調傾向だったので、今は結構酷いんでしょうね。だからこそ打開策をということを真剣に考えているのでしょう。西宮の酒造通りの清酒メーカーも、いろいろレストランなど多角化の方策を探っていますが、海沿いが「おしゃれな場所」に変わった位で、特段大きな変化も感じません。
    これら会社が、ムーブメントを興せれば、何か変わりそうな気はするのですけどね。もったいないなと思います。

  5. 第3のビール戦争。

    キリンビールは12日、酒税がビールや発泡酒よりも安い、いわゆる「第3のビール」の新商品を今春発売すると発表した。これで大手四社すべてが「第3のビール」を販売することになる。材料は未公表だが、サッポロビールの「ドラフトワン」と同じ「その他の雑酒」にして、価格も発泡酒より20円程度安くするとみられる。(毎日新聞)
    んーだんだんビールがまずくなっていく・・・。
    おいらは発泡酒までだね、妥協できるのは・・・。
    税金対策なんだけどさ、タバコから取ってくれよ・・・マナー悪いし・・・。

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