粉寒天ブーム到来？

i実家で姉が「業務用粉寒天」を探してくれというので、探してみると、一様に7月以降の到着になるという。1kg 4000円位する奴がそろって品切れ。明らかにこれらの商品を小分けにしてつまらないパッケージを付けた物が、150g程度のパッケージで１０円/g程度で販売されているのも見かける。CoQ10でもあった商売のやり方とも言えます。

調べてみると、
2005/1/5　TBS　「はなまるマーケット」でダイエットのネタで「粉寒天を使ったお茶」を取り上げる。
2005/1/9　NTV　「おもいっきりテレビ」で取り上げる。
2005/2/16　NHK　「ためしてガッテン」で取り上げる。

実際、母に聞くと、2005/1頃から融通するなどという話があったようで、その当時から少々ブームになっていたようなのだけども、楽天市場全体のランキングで2005/6/4に粉寒天1kgが３位入賞を果たした…というから意図的に２段階でブームを起こそうという動きがあるようにも見えます。最近の動きとしては、

2005/6/1　NHK「ためしてガッテン」で好評の話題を再度取り上げる。
今日　KTV/CXで「あるある大辞典２」で取り上げられる。

ゴールデンの力というのは偉大なので、今日以降の入手が困難になることが予想されます。

NHKによると、2004/12に「寒天が高血糖・高コレステロール・高血圧・肥満の改善及び予防に有効なことがわかった」とあるのだけど…極めて当然の事で、食物繊維が8割の食材が、食事による脂肪や糖分を吸収するのは当たり前すぎるし。どこの団体が糸引いたのか調べてもトリガーがわからないのがシャクな小生。

基本的な留意点としては、通常でもダイエットの際は新陳代謝が悪くなるので、水（注：お茶や清涼飲料水ではない）を2リットル程度飲用することが推奨される訳ですが、寒天は当然のように保水力があるので、1日20g採れとか言っているサイトがあることを考えると、あと2リットル位飲んだ方がいいのではないか、ということ。寒天ゼリーを作るときに、どれくらいの水が必要がを考えれば自明とも思います。(4gで400ml必要なようですから。）頑張って4リットルの水を飲んでください。

まあ、過ぎたるは及ばざるがごとし。水分不足で逆に大腸がんの可能性を亢進する便秘を招かないようにしてくださいね。ファイブミニ飲んだら便秘になる小生はなおのことです（＾＾；。

というよりダイエットに汲々とするよりは、恒常性を高めるためにはストレスを少なくして生活する方が大事だと思いますけどね。仕事が生き甲斐の人が退職した直後から著しく老いが始まるのと同じ事で、ダイエット自体がストレスになっては全く意味がないのですからね。

”Sky is blue, batting free　ね”と言ったのは、かの長嶋さんでしたっけ。
まあ、そういう気持ちの方が大事だと思います。

#22:22　
本日のTV中に出た論文タイトルからアブストラクトを検索しましたので掲載します。
Diabetes Obes Metab. 2005 Jan; 7(1):40-6.

Effects of agar (kanten) diet on obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.

Maeda H, Yamamoto R, Hirao K, Tochikubo O.

HEC Science Clinic, Isogo-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 230-0045, Japan.

AIM: The aim of this study was to evaluate the efficacy of agar diet in combination with a conventional diet (traditional Japanese food) for obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.

METHODS: After a 4-week run-in period on their habitual diets, 76 patients were randomly assigned to have conventional diet or conventional diet with agar. Both groups were on these diets for 12 weeks. Body weight, body mass index (BMI), glycaemic control, blood pressure, insulin resistance, total body fat, fat distribution and lipids were assessed before and after the experimental period.

RESULTS: In both groups, after 12 weeks, mean body weight, BMI, fasting glucose levels, homeostasis model assessment-insulin resistance, and systolic and diastolic blood pressures had decreased significantly from their baseline values. HbA(1)c, visceral fat area, subcutaneous fat area, total body fat, insulin area under the curve after oral glucose tolerance test and total cholesterol decreased significantly in the agar-diet group. After 12 weeks, mean changes of body weight (-2.8 +/- 2.7 kg vs. -1.3 +/- 2.3 kg, p = 0.008), BMI values (-1.1 +/- 1.1 kg/m(2) vs. -0.5 +/- 0.9 kg/m(2), p = 0.009) and total cholesterol (-7.6 +/- 27.5 mg/dl vs. + 2.4 +/- 23.4 mg/dl, p = 0.036) were significantly greater in the agar-diet group than in the conventional diet group.

CONCLUSIONS: The agar diet resulted in marked weight loss due to the maintenance of reduced calorie intake and to an improvement in metabolic parameters.

耐糖能異常Ⅱ型糖尿病患者へのダイエットに関する二群間無作為試験で12週間使用。
寒天使用群（A)と非使用群（B)で以下の通りです。

体重　A　-2.8kg（±2.7kg）,　B　-1.3kg（±2.3kg） P=0.008 有意差有
BMI　A　-1.1（±1.1）,　B　-0.5（±0.9）　P=0.009　有意差有
総コレステロール　A -7.6（±27.5ml/dl), B +2.4(±23.4mg/dl)　P=0.036　有意差有
その他のパラメーターは有意差なし。

TVでやっていた試験結果(二週間)とは著しく違うように見えます。（糖尿病患者のみを対象としていることもありますが）

また盲検試験ではありません。（被験者に寒天と偽寒天を与えるようなことはしていない、ということです。ですから被験者にはどちらを行っているか分かります。また試験の内容については被験者に開示されている筈ですので…以下略）

なお、この雑誌のインパクトファクターは2003年度で1．528です。
糖尿病関連雑誌で、タイトル冒頭でDiabatesが付された雑誌の中では、6番目のインパクトファクターです。これをどうとらえるかは、皆さんにおまかせします。
個人的には、それ以前に食物繊維を取りなさいということであると思います。良く噛めば同様の効果があると思いますしね。

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