最近の厚生労働省研究調査班の研究成果は、始まったばかりのメタボ検診や、ダイエットが健康にいいとの嘘を証明する形になっているのが面白い。
そもそも、メタボおよびダイエットは単純指標に基づいて決定されており、本人の体質、筋肉量、骨量などには全く関係ない、身長と体重のバランスだけで考えられることが多い。
つまり、本質的な健康とは何ら関係がない訳である。
それはまるで天然素材だから安心と言って、トリカブトを口にするようなものである。
2009/4/23 20歳の頃からの体重変化と死亡との関連について
20歳時から体重増加(+5kg 以上)したグループでは、変化が5kg未満のグループに対する死亡リスクの増加は認められませんでした。
一方で、体重減少(-5kg以上)により、男女ともに総死亡のリスクが上昇。この傾向は、どの年齢層でも同様に見られましたが、男性の若い層(40―49歳)でよりはっきりしていました。50歳以上の男性では、体重減少により、がん死亡・循環器疾患死亡リスクも上昇しました。この傾向は、病気の有無や喫煙習慣の有無、20歳の時の肥満(BMI 25以上)の有無に関わらずに見られました。
しかも、男性において体重増加群は、不変群に比べ総数ベースでは有意に死亡リスクが少ないという結果が出ています。
*ただし、5kgの変動のみをボーダーとしていることに留意すべき。
2009/4/16 メタボリックシンドロームと死亡・疾病との関連を調べた3つの研究成果について
今回の多目的コホートからの研究結果やこれまでのエビデンスから、がん・循環器疾患予防を目的とした公衆衛生政策としては、肥満に重点を置いた対策により期待できる効果は小さく、むしろ、たばこ対策や高血圧対策の重要性が改めて強調される結果となりました。
実は北欧では高齢になると循環器病対策でむしろ高脂肪食を摂取させるなどということがあります。
実際、小生の姉は無理なダイエットの結果、体脂肪率はおそらく1桁であるにも関わらず、逆に高脂血症になっています。一部ネットで小生の体調をご心配いただいているようですが(笑)、当方は血圧、中性脂肪、TG、食後血糖などすべての項目で基準値であります。ご心配に及ばず恐縮です(笑)。
大事なのは見てくれではないということですね(笑)。
でも何故これがTVニュースで取り上げられないかと言えば、健康食品産業に取って不利益になるから。つまりCMの敵だからです。
メディアのバイアスって怖いですね。