本質は、全国10000弱のサンプルではなく、首都圏のサンプルしか気にしていない、関東キー局の体制にある。実際大企業が東京に集中しているからその傾向はさら強くなる。そして地方も首都圏の消費傾向を引きずるという、すべてに東京一局集中によるものだ。
 
例えば、全国視聴率を問題にすれば10件位どうってことはない。でも、首都圏600世帯のみなら3件でも0.5%。これでも、スポット広告を打つ時の基準になる延べ視聴率「3000%」(全視聴者の80%にアピールすると言われる)、「30000%」(90~95%)なら、良い局で8%程度と言われる全日視聴率から考えれば、「3000%」なら375回が353回で済む計算になる。要するに5.9%売上げが増えるのだ。統計学的に誤差があると言っても、広告代理店にとってはそういう計算をする以上、コンマ以下の数字も重要なのだ。
 
アメリカでは全国の視聴率がレポートされる。地方もあるが基本的にネットワークが気にするのは30000世帯の「全国視聴率」だ。サンプルも非常に多いので、誤差も少なくなる。それ以前に企業も分散しているし、送出局もNYが多いとはいえ、LAやシカゴ、フロリダなどの制作番組も少なくない。日本はネットワーク化の際に、政策的に首都圏の視聴率をネタに中京や関西圏送出番組枠を減らしてきたのである。その影響とも言えるのではないか。そして24時間TVのようなものを各ネットで行うようになったのは、より「キー局」支配を強めるための道具に過ぎないのだ。
 
つまり、テレビ局の体制もあるが、そういう広告の売り方しかしていない広告代理店およびTV局営業の責任だ。
 
広告代理店の問題に誰もふれようとしないのは、収入を取ってきてくれる広告代理店に「誰もふれたくない」からとしか思えない。
 
そしてそれ抜きの議論がされていることが、マスメディアの狙い通りになってしまっている気がする。
 
#他BLOG見ててなんか無性に書きたくなったので殴り書き。数値の一部とか間違ってたら申し訳ない。概ね合ってはいるはずだが…。

投稿者 wolfy

“視聴率問題の本質。” に1件のフィードバックがあります
  1. 視聴率買収問題と電波行政

    [視聴率問題の本質。]
    RIETIで池田先生が
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     池田先生の水平分離を求めている議論の根本には賛成だが、何でも電…

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