昨日、ふと点けたNHK総合をずっと見ていました。
イラクで亡くなった、奥参事官の特集。
彼はイラクでUSが何を行おうとしていたのか、
日本の支援は国連の承認があれば問題がないこと、
USの統治機構に問題があること、
USがブッシュ大統領に関係のある特定企業に公共工事の指名を行っていたこと。
全て外務省に伝えていたようです。
その上で病院、学校など、現地の人に記憶として残る設備への援助を求めていたということです。
でも、その結果日本政府が行ったことは、そういうことではなく、自衛隊の派遣。それも先遣隊の報告書は、現地を見てもしない、日本にいた外務省職員による作文であったことも明らかになっています。
また、詳細についてUSに妥協も迫った形跡はありません。
ただ、得た物は、G7での日本政府による為替介入への許可。(NewsweekではUS側の見方として公言されています) 実際円は110円前後で推移するようになります。日本が介入するかどうかより、USが許容するかで市場が動く。それまで財務が投入した資金に必然があったのか。
バーターもありましょうが、それが適切であったのか。
私はどうかと思います。
恐らく、この状況が続くのは大統領選まで。
それ以降は例えブッシュ氏が再選されても同じとはいかないと思います。
そんな短期間のことに、憲法問題やら、集団的自衛権やらを絡めて性急に物事を進める必要があったのかどうか。
有る意味、今回のイラクは「シベリア出兵」ですからね。ただ、あの時の日本の役は、USがする訳ですが。
以前にも語りましたが、この日本という国のメンタリティは、最近格好つけて「国のため」という事を言ったところで、このような実際に働いていた人を、公務のため失っても、国葬はおろか、半旗一つ掲げず、3ヶ月もすればもうメディアも忘れてしまう。こういう国に命を捧げろ、と言われても、と言う気がします。
そういう意味で、この時期取り上げてくれたNHKには感謝します。
♪"All She Wants To Do Is Dance" Don Henley, 1985
「昨晩のNHK:奥参事官の特集」に2件のコメントがあります
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為替介入黙認でイラク自衛隊派遣がバーター、ですか。為替介入に関してグリーンスパンはちょっと文句を言っていますが、政治家筋ではあまり話にのぼらないので、変だなと思っていました。
これも見方ですが、北朝鮮を巡る6カ国協議も自衛隊派遣
によって「明言しないが、宣言で触れる」ところまで持って
行けたのではないか、という指摘もあります。
しかし、奥参事官が行っていたことを考えると、殺害に及んだ
のが、軽率な過激派の犯行なのか。あるいは、その行動が
継続することに対する「逆の」テロなのか。
万一後者だとすると、戦争とはそういうものなのかも知れません。
強い憶測ですが、そうであれば、「そのような行動」をしな
かったことにも理由がついてしまうので、恐ろしくもあります。