trackback – 何だかなぁさん :[国旗・国歌について]

# 19:25 ドイツ国歌へのリンク追加

対案を出せ、出せないと言うな。それでは現状が正しいか理由を出せ、という話になるわけですが、それを置いておくと、単に発言抑制・非寛容の全体主義的要素に繋がるわけですが…ということは置いといても。

この国は、戦争で過ちを犯して(とされているという「史観」という議論もありますが)しまっていますよね。権利義務を規制して、言論を抑圧して。まあ確かに自由と放任は違うけども、それを理由に抑圧したことは数日前にも書いています。

で、君が代は「天皇の代が続きますように」、ということを定義付けて、実際には美濃部達吉さんが言ったように「天皇は機関である」に過ぎなかった(御前会議での当時の天皇さんの発言権はそれを示しています)のに、為政者側が全て自分たちの行うことが正当であるというために、誤解させたわけで。その「君が代」に対する定義が、今回の国旗国歌法の答弁において、間違っていたとは正式には政府は認めていないですよ。

(ちなみに、私は今の「天皇象徴」制はいいと思うし、実際外交機関として、政治権がないにせよ、天皇さんと天皇家というのは意味があると思っているので、批判する気がさらさらありません、という立場を掲げておきます。)

それで、はい国歌ですよ、と言われると「やだね」って気になっちゃうわけ。歴史ある国が歴史を軽んじてると。国旗はべつに海軍旗じゃなきゃいいよって思うけど、「街宣車」な人たちの掲げ方を見ると、やだねって思っちゃうだけ。

それに日本の「国歌」って、そういう観点から行くと「体制が続きますように」って言ってるだけだし、わしらの権利は?って思っちゃう。なんか日本の会社組織そのものとか、官僚体制そのものが続きますようにって、余計「やだ」と思ってしまう。

実際はともかく、少なくとも国歌では、USは、自由の国、"Home of the brave"と、カナダは ”True north strong and free." "God keeps our land glorious and free." (中略) "We stand on guard for thee" と自由を勝ち取って守ろうという権利義務意識を掲げている。ある意味、現行の日本国憲法ってこれに近いわけ。高い目標を掲げて頑張ろうと。

だから私は憲法は意識をうたっているもので、評価するし、US、カナダの国歌も畏敬の念を持ってしまいます。だから立って歌うこともあります。でも、日本の「国歌」には我々自身の反省がないし、それを公的に認めているようには見えない。また審議のための国会答弁が嘘でもいいことは、東京都が示してしまった。(強制しないとの答弁に対し、教職員に強制)

そういう意味で、掲げてもらうのは、別に構わんけど、強制はするなよっていうのが私の見解な訳です。決めるのは結構だけど、反省もせずに、小手先で元に戻すのなら畏敬の念なんて持たなくていいよね、と。良心の自由さえ残してくれればそれでいいのです。あるいは私が東京都の教員で、今年の春の卒業式でどうしたか、と聞かれれば、歌うけど、拳を挙げただろうと。五輪でUSの選手が公民権運動で行った行為のようにね。

なぜ、強制しなければいけないのか。それを容認しながら、「対案」と仰るのか、それを一番聞きたいです。まさか「青島幸男が決めたのだ」(古ぅ)という訳ではありますまいに、というのが正直な気持ちです。

(追記)
ドイツ国歌に対する対訳、解釈について述べられているページを発見しましたので、リンクを追加しておきます。少なくともドイツは精緻に国歌についても解釈を行ったようです。

(追記2)
こんなスタンスで良いのだ、ということで、懐かしい写真を1枚追加しました。こうやってもチームが無くなるまでろくすっぱ歌ってもらえなかったチームもありましたが、それはそれで、このチームらしくありましたね。
そういう国があってもいいんじゃないでしょうか。

投稿者 wolfy

「[tb] 国旗・国歌について」に6件のコメントがあります
  1. 「強制」の是非についてはちょっとおいておきますが、一番肝心なことは、国民が納得して唄える歌を「国歌」とするではないでしょうか。

    でなければ、別になくったっていいじゃないか、ということになりかねません。

    そのために建設的な意見を出し合おうというスタイルはそんなに悪いことではないと思うのですが。

  2. >Rashitaさん
    最近この種の議論の場合、国家として出すべき法案のような精緻さまで求めるような記載をまま見受けます。今回の場合もそれに近いように私には見えました。
    何を国歌とすべきかについては、歴史が不可避でしょう。納得する歌をといえば、あえて言えば、君が代の歌詞を取ってしまう。その歴史的経緯を教える、というのも選択肢かも知れません。「君が代」が現在歌えるからと言って、戦争に行った、権利を奪われた人達の大方を亡くした後に議論を始めようというのも姑息な気がします。
    もちろん無くたって良いのでしょう。少なくとも法的には50年ほど無かった訳ですから。でもまあ、国歌には歴史がついて回ります。それの反省も何もしていない、ということを忘れていけません。
    土台なしに建設すれば、地震や水害で家は全壊してしまいます。その土台についても語っていただきたい、と思います。

  3. ドイツ国歌の2番は一番ドイツ人の気質をあらわしてると思ふのですが(^^;。
    ちなみに、ハイドンの作曲だす。

  4. イッヒ、ハイドン、親子丼。
    古いなー、笑福亭仁鶴師匠のヒガシマルの「親子丼の素」ですな。
    (すえよしどんは知り合いなので、こういうボケが多くなってすんません)

    男女差別的で削除するってのもドイツらしい2番です。

  5. トラックバック、ありがとうございます。

    >最近この種の議論の場合、国家として出すべき法案のような精緻さまで求めるような記載をまま見受けます。今回の場合もそれに近いように私には見えました。

    そこまで要求するつもりはなかったのですが、表現が強かったかもしれません。わたくしとしては、議論の取っ掛かりになるような材料さえ出してもらえれば十分だと思っています。

    ところで、ジャンルにある「Mike & mechanics」「Dr. & the medics」には騙されました。音楽ネタかと思ったら違うんですね。

  6. >何だかなぁさん
    コメントありがとうございます。
    当方もちょっとおちょけましたので、その点はお詫びいたします。
    タイトルは「遊び」です。でも年代のヒントにはなってますでしょ。常に余裕を忘れずにいたいなぁと思って、ちょっと遊んでみています。

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