最終戦で、妻が、球場での友人が語ったことで、こういう見方を話してくれました。
「結局、中古車を買った人が、新車を買えないから、もう1台中古車買って、2台持とうとしたら断わられたもんで、2台合わせて新古車にしようと思うたのと違うの?」
確かにその傾向はあったような記載になっている記事が某月刊誌にありました。
近鉄は球団売却に当たって野村證券以外に、日本生命にも仲介を依頼して売り先がなく、その後オリックスに相談し、その前後から宮内さんの姿が読売本社で見られるようになった、ということで、実際には何らかの方法で2球団持つことを検討していたのではないか、とも思われる記載です。
ただ、FOXが2000年に近鉄を買収しようとした件のような形(内資法人の経営権を取得し、その会社に買収させる)方法も実際には否定され、その後玉虫色の「福岡ドーム」の経営権の外資譲渡で「謎の動き」を産んだ訳ですが、その記事はともかく、命名権の購入先が「サントリー」というのは、一般にいわれていた「パチンコ産業」とは異なりますし、精査する必要はあるでしょう。
事実がどうだったのかには、もう少し時間がかかるのでしょうが。
いずれにせよ、今回の件では一般的な「ファン」と自分のとの見方で1つの大きな違いがあることが明確になったように思います。
日本のプロ野球が国民のどれだけの部分を占める関心事なのか、ということです。
「ファン」の方は愛されている。野球は文化だ、と言います。正確には文化の一部に過ぎないと思うのですが、それほど育てているのかどうか?
毎日放送TVで興味深い特集がされました。9/17のスト突入直前に大阪で、BW三輪さん、Bu礒部さんのスーツ姿の写真を見せて聞きました。「この人達は何の人?」
正解はたったの1割未満。
NPBの帽子の売上げは、10年前の半分。特に子供が被らなくなったといいます。
「ファン」の論点の主軸には、日本のプロ野球とMLBを切り分ける論点が多いようですが、このアンケートでもプロ野球が凋落した理由の1位は「スターがいない」(31人/100人)。MLBへの選手の流出が原因とする見方です。
ある意味、交渉内容ともなった年俸問題による、さらなるMLBへの流出が、トドメを刺すかもしれないというアンケート結果。すくなくとも「コアなファン」でなければ、野球というパイを、MLBとNPB(しかもセとパを分けて)奪い合っているだけの状態。全体の最大幸福なんて一般大衆は考えず、流行が廃りかだけで判断し、Jリーグをバブルから奈落へ突き落とし、BWもその餌食にされた側面があります。これが文化というなら「ブランド志向使い捨て文化」の一部でしょう。そんなもんとスポーツが一緒にされたら困る訳で。
KTVでの、Bu@BWの最終戦、解説の金村さんは、いつものように本質でないコメントをされました。「両方とも強ければ観客が入るんですよ。」でも、パの他の球団は?さらにMLBに選手が流出すれば?それこそパイを大きくすることなど考えていない発言。それはBWから都合良く離れた「ファン」にも言えること。どうすれば観客を集められるのか、球場に何を求めるのか?そう言うアイディアを練って球団に提案までする人がどれ位いるのか…。結果的に金を垂れ流せ、という人は結構いるけどね。
今回の球団数以外全て先送りは、税制の問題と相似しているような気がしますが。
ファンだけでなく、機構もね。
大体、文化やったら、もっとお客さん来てるって…。
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P.S. 9/27の試合後24:00まで駅前で騒いでいたBu応援団系の「試合後の集会」が警察に解散させられたそうですが、それまで「球団の責任」視する「ファン」がいはるようです。彼らはみんな、ライトスタンドから100m程離れたところに住宅街あるのも知らないんですよね…。
「ファンと責任感と。」に5件のコメントがあります
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最終回:『夢光年』
29日、巨人は『週刊文春』10月7日号と、『日経ビジネス』9月27日号記事に対し、文藝春秋と日経BPに撤回・謝罪を求める抗議文を送付した。読売新聞では、文春広告から関連記事記述を黒く塗りつぶした上で、紙面に掲載。 巨人、文芸文春などに抗議書送付 (毎日新聞) (注・見出し誤字そのまま)巨人軍は不滅でも、読売新聞は自滅? (大西 宏のマーケティング・エッセンス)『女性セブン』、母親による『古田秘話』と、9月14日で書いたとおり、女性誌で『野球を好意的に扱う』なんて、この程度なんだよな、と感じたり、『野…
貴重なご意見拝見しました。今日をもって、当ブログで球界再編の話題は打ち止め(しないと個人的に辛い)ますが、結局『文化』になりきれなかった、というのは漫画からの視点でも感じます。フィクションストーリーものやアニメなら『有形』として残っても、『無形』としては結局マスメディアにおんぶに抱っこだったんでしょうか…。
>旨樫さん
最近は野球を見る人がストーリーとして捉えない傾向があって、メディアの作った「筋」に乗せて喜んでいる人が多いってのが問題のような気がします。BWだって5試合位見ていれば、選手毎に何が足りないか、どうしようとしているのか、何もしようとしていないのか位は簡単に分かると思うのですが、どうも社会構造が「反射神経社会」になっていて、深い思考を必要としない傾向がより強くなっていることと相関しているような気がするのですが…。
ストーリーを各自が持つのではなく、与えられたストーリーしか楽しめないのであれば、それは不幸でしょうね。
>wolfy様
> メディアの作った「筋」に乗せて喜んでいる
> 深い思考を必要としない
野球に限らない問題ですね。瞬発的な反応が良ければそれでよし(視聴率問題にも通じますけど…)、といった具合に。韓流ブームにしても、その後両国関係になんかあったら、手のひら返す人続出なんだろうかと気になりますし。『自分で考え』ようとしないから某占い師が今ごろブームになっちゃったり。自分も『反射神経』なところはあるんですけど…。
直感というのは、得てして正しいところがあるのですが、立ち止まって考える余裕を与えない今の社会とでも言うのでしょうか。かなり以前のエントリーで、「ワンストライク・アウト」な社会と形容したこともあるのですが(イラク人質事件とか)、ちょっと社会に余裕がないという気がしますね。企業の「法令遵守」のうねりと似たところがあります。根本ではどの会社・個人も三菱自動車と同じ体質を持っていると思うのです。そこを立ち止まって考える時間があれば、そういうこともある程度の調和律の中に収まるような気がしています。