TB – Letter From Ceylon ペットボトルの回収率6割を超える
ペットボトルから出来る繊維の質など以前に、この国はいつもアメリカばかりを見ていて、それが何をもたらしているのか、ということを考える必要があるように思うことがあります。
1998年に3泊4日の世界一周中(^^;、コペンハーゲンについて、コンビニに入って、夜飲むソーダを買おうとしたときの事。気づいたのは「ファンタ・ライト」があった事と、そのペットボトルが日本での感覚では分厚く、汚い瓶だったこと。なぜかといえば、デンマークではペットボトルは回収し、繊維にするのではなく、再利用を前提にしていること。しかも同じ瓶が2040回使われること。回収率は98.5%だそう。
実際に買うときに、デポジット(預かり金)が25円位取られ、更にはコンビニのビニール袋にも10円程度取られること。実際600ml弱のペットを買うと200円位していました。街中の銅像が至るところで彫りが浅くなり、涙を流したようになっている国ですから、危機感が違います。
ペットの周りの商品名の記載も小さく、横幅が薄いビニールや、場合によっては紙類で書かれているわけ。一方この国では、ペットの周りをぐるりビニールで覆って商品名を誇示するようなペットボトルが主流。そのビニールは…焼却されるわけですよね?大阪市のように高度な焼却施設を持っていれば、炉も耐えることができるのですが、プラスティック類は高温になるので、通常の炉を使用して焼却すると、たった1本のペットボトルの処理費用が45円もかかってしまう、なんてことを90年代初めに聞いたことがあります。
デンマークの場合は、初めから想定されていて、その「温度」すらコージェネ利用しています。豊中・伊丹市共同の処理場なんかには、それを温水プールなどで利用する施設もありますが、資源利用が徹底しています。また高温にすれば化学物質も少なくて済むようです。どこかの国も、変な道路じゃなく、こういうとこに税金を使ってくれればよかったものを…。また、ガラス瓶でない理由は、軽量化することに拠る輸送コスト(=燃料消費)の低減を想定してとのこと。
それはともかく、電気が必要なアルミ缶でも、洗浄に使う水が水不足の際には問題となることもあり、日本では微妙な問題をはらんではいるのですが、あちこちにペットボトルが放置されている現状を見れば、そろそろ回収制度も止む無しかな、と思う今日この頃。少なくとも10円懸ければ、誰かがお小遣い稼ぎに一掃してくれますよね?それで街中のアルミ缶が姿を消したわけで。方法論としてどうか、と言う気もしますが、消費に責任がかかる時代。だからこそ消費税も必然性を帯びる中、この種の環境税的なものも、そろそろ必要じゃないかなと思うのですが。
ワンウェイPETのようなアメリカ型の大量消費は、そろそろ何とかしないといけないでしょうね。
参考:エコロジーシンフォニー デンマーク特集
「デンマークのPET事情。」に3件のコメントがあります
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お久しぶりです。TBありがとうございます。
メディアもそうですが、印象だけの環境論では実が伴わないですねえ。
回収、というのは、再利用とは違いますからねえ。現在は単にゴミ収集が進んだ段階。
ペットボトルだって、選別しないと、最近は凝ったデザインのものは粉砕しても、素材が違うので再利用が難しい。
法令化して、ペットボトルの素材の制限、規格統一を図らないと、再利用の効率化にまで結びつかないですね。
香港は分別ゴミなどはまったく進んでいませんが、
地下鉄のオクトパスカードという非接触式プリペイドカード、
新しいカードを求めると、中古品(?)が渡されます。
最初はきたないカードだなあ、と思いましたが慣れました。
ペットボトルも、再利用し始めれば、汚い、という印象を最初はもつでしょうが、
そこを理解してもらわないと、本当のリサイクルにはなりませんね。
省資源のためには、リサイクルではなくリデュース、リユースが基本
[FRANK LLOYDさんのLetter from Ceyron「ペットボトルの回収率6割を超える」]
[wolfyさんのBLOG @ Wolfy「TB:デン…
お久しぶりです。Doblog不調につき返答が遅れまして申し訳ありません。
karesansuiさんのTBも深いですね。リサイクルというのは第一段階というのは納得です。
よくよく考えれば、NY地下鉄の「トークン」なんての、再利用することを前提にしていますしね。プリペイドカードのリユースの具体例をお伺いしていますと、潔癖感の強い方は嫌悪感を覚えるかもしれませんが、生物学的には紫外線消毒すれば終了なんですけどね、と思ってしまいます。
ちなみにペットボトルについては、ソフトドリンクについてはコカコーラ(ノーマル・ダイエット)以外は全て同じボトルを使用していたのに関心しました。アサヒビールのペットボトルが販売停止になったのは「リサイクル」で「リユース」を前提にしていないというのも、少々情けない話ですね。
CO2規制が進むと、その内通らなければいけない道なんですけどね。