日本にやってきて,心斎橋に支店を出し始めたころ、シティバンクといえば、24時間ATMなど洗練されたサービスの印象があった。ちょうどその頃、台湾に出かけると、銀行のATMは24時間営業が当たり前の様に行われていた。台湾でさえこうなのに、と日本の規制と横並びの慣習主義を憂いた。
それから10年位。今では東阪では24時間も当たり前のようになり、少なくとも21時までは開いている。付帯条件はつくけども、何か給与振込みなどの条件が合えば時間外手数料まで無料になったりする。便利になった。でも、シティは?
朝日新聞にその後の処理に関しての記事が今日付けでリリースされた。
2002年8月に、個人向けの住宅ローンからの撤退を発表し、その年の9月末にUFJに移管し、小口取引(とは言え1億円以上の富裕層向け)に特化しようとし始めた…というニュースが流れ始めた時から、おかしさを感じていた。キナくさい感じがした。日本ダイナーズ(クレジット)のブランドを購入し、年会費10万円の「黒カード」を発行し始めたときと一致する。(ちなみに小生はダイナーズをステータスカードとは見ていない。海外ではそうだから。アメックスも同様。せいぜい「白金」以上であるし、それを費用対効果で使いこなしてるというよりは、ブランド品として用いている人が多いように思う…閑話休題)
結果、高齢者の資産でデリバティブ取引を強引に薦め、暴力団関係の資金洗浄に使われ、匿名口座の開設まで行っていた。それも上場企業の創業者というから、その企業は名前を公開されれば、法令遵守(コンプライアンス)違反でその企業は多大な影響を受けるだろうから、相当強引に進めたのはシティ側と推測されるのは止むを得まい。結果的に各国に自由に資金を動かし、国税の関与を許さない(要するに納税をしないで)運用を許していたのである。「彼」は心中穏やかでないに違いない。
ところが、金融庁は、個人向け(プライベートバンキング)部門の1年の営業停止を命じ1年後の業務停止を命じただけ。その間に同会社の別部門に資金を移せば、何も問題はないのである。アメリカなので厄介だと即免許停止を行わなかった、その責任者は、あの竹中平蔵金融相である。郵貯の民営化を手伝い、個人情報と資産に対し、(やわらかく書いたとしても)アメリカに門戸を開こうとしているのである。どこまでアメリカにやさしいのか。
財政破綻、金融問題の先に、資産をアメリカに吸い上げさせる構造が見え隠れする。