このところここで話題にしている「The Journal」であるけれども、小泉氏が首相時代に首相動静での中で、何度か会食したと記録に残っている田原総一郎氏もエントリーを起こしていたことを知って驚いた。
そのエントリーは現時点で同サイトの最後から1つ前にあったこれ。
与党系のジャーナリストからこのようなことを明確に書かれているという事実と合わせて考えると、非常に興味深い。
検察の言いなりになるメディア
今回の小沢問題で、はからずもメディアはその欠陥を露呈した。
たとえば、3月3日に小沢さんの公設秘書である大久保隆規氏が逮捕されたが、その日の夕刊から大久保氏に関する情報がどんどん流れた。そのほとんどは検察のリーク情報であり、事件発覚当初から、新聞やテレビは検察からのリーク情報にのせられて報道していた。
ところが、ある時期から検察が情報の出し方にブレーキをかけるようになった。しかも、メディアに「書くな」という圧力をかけ、メディアもそれに従うようになった。
なかでも典型的なのは、民主党の小沢代表の元秘書である石川知裕衆院議員(民主)が事情聴取を受けたときだ。新聞は、石川氏が事情聴取を受ける前から彼を犯人扱いしていた。ところが、その次に同じく小沢氏の元秘書である高橋嘉信元衆院議員(現在は小沢氏と仲違いし、岩手4区で自民候補として出馬予定)が事情聴取を受けたとき、メディアは何も報じなかった。事情聴取を受けた後、少し書いただけだ。石川氏と高橋氏は元秘書という同じ立場にあるにもかかわらず、である。
では、なぜ新聞やメディアは報じなかったのか。私は、そのことについて報道関係者に「なぜ書かないのか」と問うた。すると、「圧力がかかったからだ」と言う。私が重ねて「そんなことで検察の言うことをきくのか」とたずねると、「きく」という。なぜなら、検察の言うことをきかなければ、記者は一切情報がもらえない。だから書かない。つまり、新聞やテレビは検察に「書け」と言われれば書き、「書くな」と言われれば書かないのだ。
少し前までなら、検察のリーク情報でも自ら裏取り取材をしてから報じていたと思う。ところが、現在では裏取りのない情報がそのまま新聞やテレビで報じられている。今回の事件では検察の劣化が指摘されたが、メディアの劣化もすすんでいることは間違いない。