いわゆる「ネット世論」と今回の選挙結果の違いについて、言及しないといけないだろう。
2009/8/07-8/10に実施された「ニコニコ動画」の「ネット入口調査」の結果を示す。
おもしろいことに、「85万ユーザーを対象に行った」ニコニコ動画自身はこの結果を自サイトから削除している。
2009/8/12 日経 IT Pro
自民 38.7%, 民主 31.1%, 共産 6.0%, 公明 3.0%, 社民 1.5%, 国民 1.2%, 新党日本 1.0%, 改革 0.9%, 他 3.4%, 投票に行かない 13.3%議席に振った結果
自民・公明:比例74, 選挙区248 = 322
実際には、比例での得票率は民主42%, 自民 26%。
有意差を付けて、この「入口調査」結果が自民よりに偏っていることを示している訳。
実際に、自民寄りの主張の背景として、この調査結果を挙げる方はネット上(実人数の根拠はないが)目立っており、メディアの調査報道を「ねつ造」と決めつける記載が目立った。
確かにメディアは今回もどちらサイドから見ても指摘があったように「どちら方向にも」おかしく、争点の核心をぼかし続けていたように感じたのは確か。ただ、だからと言って匿名掲示板にあるように「ネット世論」が正しいということは証明されないことは自明であるし、結果から言っても、調査結果に於いては彼らが「マスゴミ」というそれの方が正しい訳だから、比較論で言えば「ゴミ以下」と決めつけてもいいくらいである。
ただ運営会社自体は上記記事中にもあるとおり「特徴的な結果が得られた」と記載している。
偏りがあることを流す側が認めている発言である。(大人の発言としての意味はそうなる)
実際、与えられたものが正しくないことに不満を持ち、別の一見正しそうに見える主張に魅入られる人は多いと思う。この国ではこの70年、それが「軍国日本」であったり、(実査には一部の人が参加したに過ぎない)「左翼過激派」であったり、カルト的な金銭欲求の強い「新興宗教」であったりする。でも、それらが根本的解決に今までなっていない、ということを示してはいないだろうか。
そしてそれらは、好むと好まざるに関わらず大きなうねりになっているグローバル化に反対する形で、欧州でも10年くらい前まではあった、EUに反対する流れでの「急進的極右政党」(フランスの国民戦線など)と変わらないということも示している。
それが本当に正しいのか、よく観察してほしい。
そして個別政策について常に正しいというものはないのだ、ということを考えてほしい。
そう思う。
そういう意味での「ネットへのしがみつき」は見苦しいし、実は自分の思考がないのだ、ということにもなる。
見たものに刺激を受けたなら、例えば逆の意味でその背景を考えてほしい。
その上で初めてものの比較が出来るのだと思う。
たとえば物を買う前に、バイイングポイントを5挙げるのは簡単だ。けれど、ネガティブポイントを5個考えて見てほしい。
そして比較対象の物でも、同じことをしてほしい。買わないことについても同じ。
その上で検討すれば、より精緻になるのだから。
受け売り意見は、もうゴメンにしよう。
「地方」参政権における、「60万」/1億2000万の影響の「程度」を判断できずに、「終わる」と「特にネット上で仮面を被り連呼する言動」が今回の選挙でも見られました。
では、同じ「地方」都知事に「公式参拝」要請を公言する都知事が選ばれた後、首相・天皇「公式参拝」が確定的に続いたのか。
そういった中央集権構造の影響の「程度」の理解の上で、これまで、地方選挙の「投票率」が66%(2/3)どころか50%(1/2)をしばしば切って来た事に、意識的に投票して来たのであれば憂慮を抱かざるを得ないと考えます。統計的に1/2ともなれば、「強い特定集票組織」自身に親族全体が属していない限り、直接会える有権者の中に「地方主権を放任」する者が居ると認めざるを得ないからです。
つまり、冒頭の60/12000=既存有権者の母集団に対し1/200の比率である、特定集票(付言するなら、この数字では日系ブラジル人などは、埒外)を想定して恐れ戦くという事は、かえって既存有権者自らが成してきた「地方主権の放任」の「程度」に対する、むしろ無自覚の表れではないかと私は思っています。
ここ10年は高齢層に対し、20代は約半分・30代でも約2/3(50-60代に比べ)しか投票してきませんでした。
それを知りつつ、「年齢層を”客層”中心に解析」したとすれば、選挙公示前ゆえ見逃された、ニワンゴによる(自らの集票上の利用価値を強調する)報「導」とみなされても止むを得ないでしょう。
>調査はすべてのユーザーを対象に実施しているが
>「解析にあたっては通常のネット世論調査と同様,
>20代から40代の回答を中心に行った」(ニワンゴ)
前回参院選挙における、年齢別投票率統計
http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/s44.html
http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/sg_nenrei.html
いわゆる「郵政選挙」で若年層投票率が持ち直していても、
http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/sg.html
統計的には上記の通り、「ニワンゴが中心から外した層」が主要投票層です。
ちなみに、毎日新聞の世論調査では、県別しか公表されていませんが、20代でも県によって民主が20ポイントリードしている県もありますが、若干自民が上回るケースが多かったようです。
とはいえ、30代では民主リードですので、その点でも「特異」だと言えます。
今回、投票日であっても、Web広告が出続けていたのも「怪異」でした。
広告投入量のみならず投入時期の面でも、電波(かつての放送)よろしく、消えてしまう広告の露出設定(露出経路の新得権確保)について、意識させられました。
事前に、公選法で引っかからないとの示唆無しに、この様な前例破りの露出が可能だったのかどうか。
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>前回参院選挙における、年齢別投票率統計
「参」ではなく、衆議院でした。お詫びして訂正します。
広告についてはこういう区分があるようです。
【選挙運動】
特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかること又は当選させないことを目的に投票行為を勧めること。
【政治活動】
政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたもの。
日曜の広告は後者のようですが、企業献金廃止と言いながら政党支部を通すのは良いというルーリングをしてしまう議員さんたちには「グレーゾーンはすべて白に見えてしまう」ようで、それは客観的に見て「クリア」ではないですね、ということです。