ジンバブエ-1:100億のデノミの後、更に悪化し…追い打ちにコレラ蔓延。

By | 2008/12/01

通貨危機といっても、まだ持てる国はいいもの。持てない国で更に経済に無関心、独裁だとどうなるかというケース。

1000億ジンバブエ・ドルという紙幣を発行した後、2008年8月1日に1:100億というデノミを行ったジンバブエ。実はこの後、酷いことになっております。

OMIRというロンドンとジンバブエの株式市場価値から図った通貨価値から見れば、こんな感じに。

US$1=
08/01 Z$ 49.23
08/15 Z$ 121.43
09/01 Z$ 3,362
09/15 Z$ 18,888
10/01 Z$ 1,418,021
10/15 Z$ 20,129,927
10/31 Z$ 11,851,630,480,952
11/10 Z$ 1,680,757,577,947,650(am)
11/10 Z$ 22,410,101,039,302,100(pm)
11/18 Z$ 661,229,327,046,568,000
11/20 Z$ 12,617,983,349,233,500
12/01 Z$ 12,179,897,079,869,700

ええと、11/18って、66京…ってことですね…。
11/20以降落ち着いているように見えますが、実は11/21以降、ジンバブエ証券市場でOld Mutualの実質取引がなく、所謂「気配値」に過ぎなくなっているのだそうです。

この気配値ですら、この1年でのジンバブエドルの米ドルに対するインフレ率は”2.40 sextillion %”…sextillionって…「24垓 %」ですよね?

しかもこの国で、最近コレラが蔓延し始めているそうで、既に400人以上の死亡、9,000人近い罹患がWHOにより確認されています。関連して元アメリカ大統領のジミー・カーター氏がジンバブエのムガベ大統領に面会しようとして入国を拒否されたり(11/30)、首都ハラレ郊外の大半で、1日水道の供給が、(コレラのため必要な)浄化剤の購入が追いつかず停止されたり(12/1)、と悲惨な状況になっています。

ジミー・カーター氏はこの入国拒否について、ムガベ大統領はジンバブエに問題はないと対外的に宣言しているつもりなのだろうとコメントするなど、問題回避ここにきわまれり、という感じすらします。

史上恐らく最悪(第1次大戦後のハンガリー以上)のインフレと、問題隠蔽。見かけのインフレーションに凄いと興味だけで見ている人も多いんだけど、本当に国が壊れかけ、国連に「第2のソマリアになりかねない」と懸念されている状況であるということだけは頭に置くべきではないかと思います。

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