ようやく、6/21の理事会・評議員会を経て、NBL/NBDLとbjリーグが、統一したプロリーグに向けて話し合いを行うことになりました。
まあ、いろいろな見方があるのは確かです。
まず、合意した内容を見てみますと、
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(1) 話し合いをスタートさせる前提
① 協会として、bjリーグのこれまでの日本バスケットボール界への貢献についてリスペクトすると同時に、統一されたプロリーグの創設については、当協会が責任を持って実行する。
② 2016年にスタートさせる新しいプロリーグは、bjリーグ及びNBL、NBDLが統一された一つのプロリーグとする。2016年の統一を控え、2015年についても可能であれば交流試合を行うことも検討する。
③ 新リーグは新法人を設立して運営する。
④ 統一リーグ創設の証として、当協会の役員にbjリーグ関係者を新任する(予定)。
⑤ 具体的な内容は、新設する設立準備室「新リーグ設立準備室」において、各リーグおよびチームの意見を十分に採り入れて検討していく。
(2) 話し合いの進め方について
① リーグ設立に向け、JBA、bjリーグ、NBL(及びNBDL)および有識者(公平性、公益性、公正性を確保するために中立的な立場として)を推進メンバーとする。必要に応じて川淵氏にも参加していただく。
【メンバー】 JBA:深津会長代行、NBL:丸尾理事長、bjリーグ:河内コミッショナー
有識者:杉山スポーツプロデュ-サー、小寺経営支援アドバイザー
② 「新リーグ設立準備室」設立し、具体案を作成する。
各リーグ、各チームの代表者および、有識者も参加する会議体とする。
③ 可及的速やかに話し合いをスタートさせる。
④ 会議の内容については、出来る限り公開を行う。
ん、なんだか、「“2016年に発足させることを決めたのはけしからん”みたいなこと」とか「2リーグでもいいと聞いている」とか、仰っていた方もいらっしゃいますけど、結局のところ方向性は6/4の理事会の内容を踏襲という次第ですけど、何があったんでしょうか。
(まあ、彼については、今後落ち着いた対応をされればいいんじゃないかと思います。… まさか、そのメディアが統一されたら広告が…とか思ったてなことは、無いと思いますけど。合意もニュースにしていませんよね、いまのところ。これからは「過去にしたことをあげつらう」のではなく「これから何をするか」で判断しないといけないと思います。)
それに、前日にニッカンに掲載された、JBA理事会で総退陣要求もという記事も、実際に辞職を求める発言は無かったことが、fbに議事を聴講された方により記載されていましたし、とりあえずは落ち着いた状況かと思います。
また、ここから各チーム・リーグに骨子の了承を得るところまでが必要との認識は、JBAの深津新会長にはあることが、新聞報道のコメントでも確認できる状況下にあります。
確かに、JBA側の動きは遅きに失していたのは事実で、結局協会として2016年にプロリーグを設立することが決まったのが、2014/2/11。企業チームにも運営会社設立を求めるということ(実際にbjでも同じようなポジションのチームがいくつかあります)が同時に発表されています。それまではPリーグを「プロ」と言う言葉が使えないため、Pをまあ持って回った解釈をしていましたが、NBL兵庫のNBL説明会の時はそこまで山谷さんが歯切れが良くなかったと聞いておりますが、13/夏のスポンサー向けパーティーの時には、Pは「プロ」であることを完全に示唆する発言になっておりました。
このプロであるかどうか、というところがbjとの問題で、組織的には相容れないところであったため、話を進めようがなかったということで、それが進捗しているのだろうなあと、そのとき感じておりました。
しかしながら、2013-14シーズンのNBLは順調ではありませんでした。観客数についてもリーグが楽観視していた部分もあったように見えましたし、事実その通りでした。NBLとしては、今までの考え方が100%正しいということは改めないといけないことは明白でしょう。bjも同じで、結局好成績・動員でも給与に反映しにくい状況は改善されないといけません。
その一方で、企業チームです。とあるチームのホームゲームに伺って、ファンの好む座席の置き方と価格設定などの話を、bjを例示して現地の運営の方とお話した際には、企業チームであっても収益を上げていかなければ行かず、その方法論やテストケースを学ぶところである、という話を聞き、bjを見ていた自分としてはそのとき思っていた「企業チームは必ずしもプロ化に反対である」ということではない、と感じたことがありました。今後についてイメージはされており助走期間に少なくともそのチームはありました。
実際、必ずしも企業チームがプロ化に反対という状況にはないようです。
とは言え、以前書きましたような、人材の個別最適としての流動性の確保の問題や、それを可能にするシステム、またチーム間における個別最適、ある程度の全体最適をどの程度確保するのか、というのは重要な課題です。また、リーグとして全体がとりあえず1部として、多数部制に移行するのか、要望としてそこまではというチームを2部として2部制でスタートするのか、など調整すべき点はあります。また、サラリーキャップを敷くのであれば、今のNBL(1.5億)以下、bj(6800万)より上のどこにするのかも問題になるでしょう(NBDLは1億だが計算方法が異なる)。それも「白紙から検討する」となっている訳です。
要するに全てがある程度の血を流す覚悟があるかどうか、です。リーグも、チームも、ファンも。それがかすり傷か、切り傷かどうかは分かりませんが。
ただ、1つにならないことで、スポンサーで対立関係を作ったり、観戦バスケットファンという大きくはない市場を切り分けた、いわゆる「田分け」な状況であったことも、事実です。
すくなくともその「大きくはない」枠のベクトルを概ね同じ方向を向くことができるかどうかが、試される4ヶ月になると、当方は思います。