この4月、恒例の2年に1回の診療報酬改訂があります。もちろん薬価改訂もあって、若干のダウン。この国の医療には約年間30兆円がかかっていて、その内薬剤が占めるのはわずかに6兆円弱です。

この比率から、薬漬け医療というのは、もはや時代遅れの指摘です。薬を減らしてもそれほど医療財政全般には影響を与えません。まあ、いわゆるゾロ品(特許切れ後発品、ジェネリックとも言う)の使用がまだ進んでいない点は問題ですが、ゾロ品に問題が無いわけじゃないので、これについては後述します。

しかし、外来では診療点数が低くて、一般的に外来で黒字になる病院はほとんどありません。そのため薬が出ていたという背景は確かにあります。そして、それらの薬の服用間違いが問題を生じる場合があると、ワンドーズパッケージ(一包化)を行う調剤薬局が増えています。

そこで今回の調剤の報酬改定、かなり大きい影響が、この「一包化」で出そうなのです。現在は30点(300円)×日数による倍率、なのですが、4月からは97点(970円)×週数と変更されました。慢性疾患の場合、新薬でなければ2002年度より、30日以上の投薬も可能になりましたので、60日投薬なども珍しくなくなりましたが、「一包化」がされている薬局では、来月から支払う際に「おや?」と思うことになります。

具体的には試算によれば、2剤14日分双方で「一包化」による調剤点数は186点が194点(3割負担で20円負担増)と影響はほとんどありませんが、30日処方の場合は310点→485点(同510円負担増)、60日処方で450点→873点(同1270円負担増)、90日処方では580点→1281点(同2100円負担増)とかなり異なってきます。これを理由に「一包化」を行う調剤薬局が増える可能性があります。

もらうお薬の「形態」に気を配る必要がありそうな、この4月です。

投稿者 wolfy

“4月診療報酬改訂:調剤報酬で消費者に影響も。” に1件のフィードバックがあります
  1. 調剤薬局:コンサルティングの費用

    trackback – own : [4月診療報酬改訂:調剤報酬で消費者に影響も。]
    そういえば、調剤薬局で、なぜ費用負担が増えるのか、という当然となっちゃっている問題について触れていませんでしたね。
    昔は病院や医院で調剤してもらっていたお薬を、もらう調剤薬局を「かかりつけ」にすることによって、違う病院同士で処方した薬同士…

コメントは受け付けていません。