人道か、法律か。
昨日の台風で、京都の桂川が渡月橋付近で川の水位が堤防を越え周囲に浸水をもたらすなどの大雨。阪神間でも、普段は水たまりのような川もご覧の通り。警戒水位も大きく超え、この場所でも一時は堤防内側の広場まで水に浸かる状況になったようです。
聞いた話ですが、ちょうどその頃、パトカーの出動が増えたと言います。理由の主なものは…堤防に「家を造って住んでいる人達」からの「出動要請」。
「家が水に浸かる、助けてくれ」
警察も助けない訳には行きませんが…移動したらどうか、と警察官が言えば…
「一人じゃ動かされへん、手伝ってくれ」
普段リスクを取らず、公共の場所を占有している人たち。事情はあるにせよ、不法占拠であることには変わりはない。でも人道的見地もある。でも、実際この日、この流域では決壊の可能性があると数百人が避難させられたといいます。この種のリスクの時は、そのような状況であっても、リスクを公僕に追わせる…対応悪い兵庫県警とは言えね。
「ホームレス」という言葉がありますが、アメリカのように公共の意識が強く、共有性を求めるような場所では、公園などに寝ている人はいても、建造物を作り占有することを黙認することすら珍しいことです。取締の問題もありますが、ホームレスは敢然たるホームレスで、慈善団体等のシェルターを作り入れる、ということはあります。ただ、この国では、そう言う場所に当然のように「家」を作る人たちがいる。撤去等は誰も触れたがらない問題…。そして子供を遊ばせていると干渉してきて、安心して遊ばせられないケースすらある…。
どこでこうシステムがおかしくなってしまったのか、と思うのですが、日本人に「分」とか「身の丈」と言う言葉が無くなってしまったことに、根本があるような気が、私にはします。
難しい問題ですね、ほんと。