学生さんや、運良くそんなこととは無縁な会社に入った皆さんに。
JR西日本の、事故車両に乗っていて救助に行かなかった人や、制限速度違反をしても、時間を優先した行動を取った行動。でも、こういうことは日本の企業社会では十分に有り得ることで、ましてや経営が知らないということも想定されること。
小生が以前居た会社というのは、まさにその典型で、外資・内資混合の企業であったんだけども、実際には内資のオーナー社長がずっと統治していました。その結果どうなったかと言えば、取り巻きが重用される企業文化。成績が上がらなくとも、アピールで昇進する会社。その取り巻きを批判すると、返す刀で評価を下げられるようなところにいたわけで。そんな会社の営業本部長は、銀行からのお下がりで、新卒の研修で「自分は営業のことはわからないが…」と無責任に言い放つ、そんな会社。
(業界で)公正競争規約で禁止されている添付販売や、キャッシュバックも実際にはその営業所では良く行われていて、何しても売れば良い奴な訳。評価されるのは上の「取り巻き」な訳だから。本人にはさほど返っては来ない。
小生は物を申してきたので、その実際には何もしていない「取り巻き」の一人ににらまれて来た訳で、一時はその下の人間にも囲まれたこともある。30過ぎて、自分で物を考えるなまで言われ、半年位そうさせられた経験もある。でも全部報告はしなかったし、それでも会社を信用していなかった訳で、全てを報告しなかったし、するつもりもなかった。売上げも上げたけど、とある施設のメーカーランクを50位台(0.1%以下)からトップ5(5%)に引き上げたようなことをしても、全く評価されなかった。
要するに上司の言うことを聞いていれば評価されるけど、それ以外はどうあっても評価対象にならない、となれば、触法行為をしても上司の命令が絶対になるし、そう思っている人が多くいました。最後の方には完全外資になっても、その状況は変わらなかったというのも情けない話だけど、合併等で最終的にまともな会社と一緒になったので、その会社に統率権はすっかり移り、元同僚も「やりやすくなった」と言っていたようにようやくというか変わりました。ちなみにその小生と直接対峙した「取り巻き」は、同時に九州に3段階降格人事されたようですけどね。顛末を知ったのが某巨大掲示板というのが笑いますけど。
実際、彼は業務上横領もやってましたし、それを業務目的で転用するならまだわからなくもないのですが、私用で消費していました。ただ、それが当然になってしまえば、みんな自分の立場の為に触法行為をしてしまう。良くも悪くもそれが日本の企業にはあるのでしょう。
現状のコーポレートガバナンスなんて言っても、実際には製薬業界で厚生労働省が取っている「責任回避のための規制」と同じことで、リスクを個人に取らせることと勘違いしているように見えてしまうことが多いので、これも罪だなぁ、と感じてしまうことがあるのですが、要するに責任を負わせながら、対価(給与)や権限がそれに見合っていないのことが最大の問題なんだろうと思います。少なくとも自分で考えさせないような環境、ということが問題なんでしょうね。
そうそう、その会社のそのあほな「取り巻き」は阪神淡路震災の当日、出社してくるのが当然の顔をしていて、本社から待機命令が出ると顔色を変えて「帰れ」と命令していましたっけ。なんかと似てますね。
同時に出ていたこのアンケート結果と、この行動を対比させる論調がメディアに少なかったことが、逆に深刻な問題なのかも知れません。
「良心に反しても企業に従う」4割以上が回答 新入社員調査(クリスチャントゥデイ=元記事は日経)
JR西日本は、このような会社組織の問題にも立ち向かわないといけないでしょう。
マネージの勉強を普通の日本の経営者の同様、あまりしていないように見える経営執行陣に、その分析と対応ができるのが、実は最大の本質だと思うのですが。そうすれば自然に問題が経営に上がっていくのですけどね。