今日参議院本会議で13時過ぎに採決される見込みの郵政民営化法案。本当は税金問題も真っ先にせなあかんような気がするのだけど、先だっての総選挙で「私の任期中は消費税率を上げない」などと租税問題を回避したので議論のしようがないので、固執させる十分条件を先だっての選挙で国民がお墨付きを与えた結果が今回の状況。
もちろん郵政民営化問題は、以前に書いたような気がするけども、財政投融資の原資とされる郵便貯金・簡易保険だけども、それが腐敗の温床になっているという側面があったわけで。しかし民営化賛成派はあまりにもこの350兆円の行方には言及せず、部分的なところだけを取り上げて問題視しているような気がする訳で。
この350兆円の行方を日本が決めるというのであれば、特別立法を作ってよい筈で。たとえばエア・カナダなどは、国営から民営にする際に、外資企業は10%以上の株式取得が出来ず、全体の1/3だかの株式が外資の所有になった際に、議決権が行使出来ないなどの措置を取った、そういう方法論もあるだろうし。でも、それがアメリカが求めているか…絶対違うけどね。とは言っても、国民の350兆円は国民の資産活用/国民の便益向上の為に使われるべきで、その上の民営化ならそれはそれで議論の価値があった。そういう全方位的な検討が全くされず、コンビニが増える・サービスの質は落とさない・税収が1兆円増える…、国民に郵政のサービスが経済的にどう良くなるかの提示は全くなかったわけで。いわんや郵貯/簡保をや。
それに簡保もノルマ主義だったため、受け取り予定金額で嘘をついて解約させず、利用者に不利益を与えるケースが続発していたり、民間保険会社で起こっていることは、国営でも既に起こっているわけで。どっちもどっちという気がするし、その為の郵政公社の透明性を高める措置もあまり論議されなかった。
造反議員といわれる人達も、その辺に言及せず、特定郵便局長に出席して「あなたたちの権益を守ります」…これは本質じゃないしね。なんかねじれたまま解散の勢い。
ただ、この解散で自民党(「造反」議員が離党してもしなくても、その結果として)が政権を継続する結果になれば、小泉さんは国会決議を経ず「イラクに自衛隊を送った」ことに続き「自分が正しいというまで議会を解散する」…しかもその後ろ立てである衆議院ではなく、参議院を理由にという点では、「強権政治」の固定化に繋がってしまうことでもある訳で。総理大臣というのはそういうシステムじゃないのだけどね。と思っていると、今朝、「郵政民営化の郵貯の話をTVでさせてもらえない」森田実さんが同じことを言っていたので喜々としてTVを見ていました。そういえば金曜のNY株は-0.7%だったねと。
それはさておき、議会軽視の流れが、仮に郵政解散選挙で起こり、固定されれば、国民の議会軽視はますます進むだろうし、それは大正末期の議会の腐敗から来た流れと似ているような気がするんでちょっと危ないなぁ…と思ってしまうのだけど。
その匙加減にこの2回の国政選挙で失敗しているように見えるので、余計心配してしまうのだけど。岡田さん、大失敗だけはしないでよ…と懸念してしまいます。