今日の新聞で、郵政等の政府系金融機関が1,470億円の赤字転落という日経の記事がありました。まあ、郵政「民営化」の材料と言えば、それは現首相下で郵貯などの資金を100兆円新たに自らが問題にしている財政投融資で政府系機関に下ろしたり、国債を買いましたりした、ということをお忘れになっている、ということしか無いわけで。そう言えば道路公団「民営化」で何か改善しましたっけ?
今週は景気の底打ち感で日経株価も上げ、金利も上昇、円高とトリプル高。個人的には自民党の衆院戦勝利を「先取り」しているようにも見えます。
しかしながら、この10年間世帯所得は20%低減し、昨日の生活白書では年収400万未満の世帯の子供ゼロ率が20%強と他所得層の2倍、所帯の夫婦ともにパート・アルバイトの率が5%を超え、若年層での所得格差が拡大していることにも触れている…。なのに、それを産んだのがアメリカ型のコストカット重視による会社自身の再構築後回しの「リストラ」による影響には触れず…。
しかも郵貯資金が「絶対にない」が「仮に国内投資市場のみに」回った場合、よりその偏在の傾向は強くなるわけで。アメリカなどはブッシュさんになる前は、世帯を所得別に人数を5段階に分けて、生活レベルの調査を行った結果について「第1階層(最低層)のみの所得が減少」と米民主党への批判があったものだけど、今はそれすらないですから、その政権と仲がよいこの国の現政権の手法なんて知れてますわね。
うちは、一応妻が専業主婦で、平均所帯所得を超えているけど、家を持つには正直ギリギリのところかなと生活しながら感じています。しかしながら大卒であっても製造業系では小生より低い給与のところは有名所でも結構ありますから、うちより所得が低い場合の生計がどれだけ苦しいかというのは自明な訳で。それに小生ですら転職を考えるってこともね…。更には東京では小生の所得は低めのレベルになることを考えると、東京とそれ以外は別の国、という状況でもある訳で。
そういうことを漠然と考えていると、所得の再分配も含めて、そろそろ逆進性の軽減を見直すことも必要だろうねとか、いろいろ漠然と考えてしまいます。
まあ翻って郵政の事を考えれば、新生銀行のリップルウッド傘下の購入し売却した会社が、債務の政府保証を国会で公表しないまま行い、しかもオランダのダミー会社であることから、株式の売却益の課税すら回避したことを考えると、郵政でも同じようなことが起こるのかなという気がしています。そう言えばリップルウッドに決めた理由もはっきりしなかったけな。
郵政で同じことが起こる可能性が新生銀行を考えた時に「かなり高い」と思いますし、アメリカが10年前から「改革しろ」と言ったとおりの方法ですからね。まあ自明でしょう。米系企業が購入する場合にのみ、郵貯・簡保の債務に政府保証を付けて、たったの8兆円で350兆の資金を売り飛ばす。債務不履行になるために利益が増える。国の債務は増える…「公務員」の給与支払い後でも年4兆円の利益を生んでいる郵政公社を売って、しかも1兆円の税金を得るために。何を失って何を得るのか一度考えてみてください。「改革」は名ばかり。手を付けるところが違うのです。
それを突けない民主党ってのも、政権に付いたときのアメリカとの対応を考えてでしょうが、まあ、本当にこの国は独立してるのか(いや、していない)と思いますね。
「構造「改革」は誰のため。」に2件のコメントがあります
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目的を逸脱した郵政民営化
小泉首相によると今度の衆議院選挙は郵政民営化を問う選挙だそうである。 郵貯・
FT.com : 国際金融市場は郵貯の350兆円をもう少し待たねばならない。
下記リンクにTBを頂戴した「一喝たぬき」さんによると、The Finacial Timesの8/8付のコラムにて、があるということですので、ここで取り上げます。
あえて原文ままとします。
自民党がなんと言おうとも、現実はこういうものです。
A contemporary dilemma haunted by history
By…