八ッ場ダム:建設反対派の視点。

By | 2009/09/24

メディアがなぜか「建設推進派」の立場にばかり立っているので、反対派の根拠を提示するのも、参考になるかと。

八ッ場(やんば)あしたの会/八ッ場ダムを考える会
八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて(09/9/18)

「八ッ場ダムを中止した方がはるかに安上がり」

八ッ場ダム建設事業の事業費は4600億円(水源地域対策特別措置法事業と水源地域対策基金事業も含めると、約5900億円)とされているが、ダム事業を継続すれば、ダム完成までに事業費の大幅増額は必至である。

増額要因としては、東京電力への多額の減電補償(吾妻川の大半を取水している5つの発電所への発電減少分の補償=編註:減電量の試算結果 年間22,400万kWH)が残されていること、貯水池予定地の周辺で地すべりの危険性がある場所が22箇所もあるため、大滝ダムや滝沢ダムの例に見るように、新たな地すべり対策費が膨れ上がる可能性がきわめて高いこと、関連事業の工事進捗率がまだ非常に低く、完成までにかなりの追加予算が必要となる可能性が高いことなどがある。

「利水負担金の返還について」

国交省は、ダムを中止すれば、利水予定者が今までに負担した約1460億円を返還しなければならないとし、都県知事もそれに呼応して返還を要求すると主張しているが、二つの点でこの話は間違っている。

第一はこの約1460億円の中には水道事業および工業用水道事業への国庫補助金(厚生労働省と経済産業省からの補助金)が含まれており、それを除くと、6割の約890億円である。
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第二に、特定多目的ダム法および施行令ではダム事業者が自らダムを中止した場合は想定されておらず、利水予定者への全額返還は明記されていないことであるから、利水負担金をどのように取り扱うかは今後の検討課題である。不要なダム建設を推進してきた責任は利水予定者側にもあり…(snip)

利水負担金を返還しても、事業を継続した場合の公金支出額約2390億円より約730億円小さい金額になる。

「八ッ場ダムはすでに7割もできているという話の誤りについて」

7割というのは、八ッ場ダム建設事業の事業費4600億円のうち、7割が平成20年度までに使われたということであって、工事の進捗率とは全く別物である。本体工事は未着手である。

関連事業のうち、規模が大きいものは付替国道、付替県道、付替鉄道、代替地造成であるが、平成20年度末の完成部分の割合はそれぞれ6%、2%、75%、10%であり、まだまだ多くの工事が残されている。付替鉄道は75%まで行っているとはいえ、新・川原湯温泉駅付近は用地未買収のところがあって、工事の大半はこれからであるから、完成までの道のりは遠い。

まあ、この分析と、推進派の分析の重さの違いから語る必要がありそうです。実際、当初予算から既に2倍以上もふくれあがっているのですから、これ以上の増額がないという補償もありません。できるのであれば増額なしで残り3割の費用だけで作ってもらおうじゃないですか。

きっと生活補償となる代替地の造成、建築まで行きませんから。

当該リンクからは国交省も治水効果がないと認めた資料が出ていたりするから、びっくりです。

それでは何故メディアはここまで言うんでしょうかね。

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