今日の読売新聞。
星野前・五輪代表監督のホームページ上でのコメントを全文掲載して、記事では「経験者を失ったのは痛い」とWBC監督固辞に関して記載しています。
この記事について思うところは、実は野球自体のそれではないところ。
組織に影響のある人の発言というのがどのような影響を与えるのか、ということが一つ。
それは星野さん自身ではなく、読売の会長。
もう一つは新聞社の著作権に関する欺瞞。
読売という新聞は、会長の発言や意志を系列のメディアまで行き通らせる。1996年のNPB日本シリーズで、対戦相手の親会社のオリックスの会長を若干揶揄するようなコラムが掲載されたことがあって、日本シリーズの対戦相手だから揶揄するのかと皮肉めいたメールを送ったところ、論説委員から返事があったのを見て驚いたことがあります。「弊社会長渡辺から宮内氏への私信として掲載した」というのです。
大新聞たるものがそういうメッセージ性でいいのか、と返信したところ、返事はありませんでしたが、ああ、この新聞の編集方針というものはそういうところで成り立っているのだなぁと思い、それ以降読売新聞という雑誌は、渡辺恒雄氏の主張を広範させる場所以外の何物でもなく、彼と主張が合い、仲の良いと外からは見える中曽根康弘氏の主張の広範の場でもあるのだな、と感じました。
彼が星野さんしかないと現在も主張をしているために、このような文末で、それが損失であることに「気づいて欲しい」となっているのが少々滑稽に感じた、ということです。
まあ、違う球技のリーグでもこの種の不規則発言を容易にされる方々がいらっしゃいまして、それがBSフジの編集方針に影響を与えているなと感じることもよくあるのですが、そういう立場にある方は、日本という組織内で議論するという意識が如何に欠けているかという場所においては、もっと慎重でないと、と思うのですが。特に多くの主張のある、顧客の多くの目にさらされる場所では。
そして、もう一つの著作権に関する問題。
この記事においてはインターネット上の星野氏の記載について、出所を「星野氏がインターネットて公開したこの日の記事」と、URLの特定、記載場所の特定をせず、しかも全文掲載しています。これは引用ではなく、「転載」に該当するもので、著作権者の許諾が必要な事象です。
新聞各社はインターネット上で記事を引用することも「著作権法違反だと主張」し、全てに許諾が必要としていました。最近規程が変更になって、まだマイルドになりましたが(読売新聞・著作権関連規則)しかし、この記事は本当に許可を得たのでしょうか。特に「文書での許可」を。また、ウェブ上の記載では求めている「許諾を得た」旨の記載はこの記事にはありません。
この辺りの「二重基準」(ダブルスタンダード)さ加減に、新聞社の自分の立場に関する過信があるように感じるのは、自分だけなのでしょうかねぇ。
まあ、この記事だけでそういう楽しみ方ができて、興味深く感じたということですね(^_^;