読売の本日(2004/1/11)付の社説…だけではなく、あらゆるところに、イラク戦争賛美…というより戦争賛美の記事が乱れ飛んでいます。具体的に挙げていきます。(大阪版14版を基準)

まず3面の社説。教育基本法改正問題から、個人の強調から「祖国愛」「愛国心」を形成し、公共心を持たせる方向にしたいと書いています。そこから、愛国心は民主主義と一体のものであるから「愛国心教育が急務」としています。さらにGHQが行った「戦争罪悪感宣伝計画」の影響で明治以降の日本を「悪く描いており」そのトラウマが続いているとしている。そのため、「基本法を改正し、家族や国など、自分を超え、自分を支える共同体の価値について、子供たちに学ばせる必要がある」と語っています。
 
でも、私は、個人の連携を持って共同体に関する意識ができない、とは思わないんですよ。個人を尊重することは、他の個人も尊重する、ということであり、その結果共同体というものを構成することは十分可能だと思うんですね。それに海外でも愛国心と言っているけど、ここまで人の移動が自由になれば、「国籍選択の自由」もあるし、企業はとっくに国際的資本移転で租税回避策を取っている訳。その行為には読売の言う「愛国心」は存在しないわけで、それなのに、何故、それらの訴求をせずに、個人への「国」という「組織」に対する位置付けを共有させるのだろうか、と思うわけ。とくに「戦争罪悪感」って書いてしまうのは、USの今回の戦争に限らず、日本の戦争参加が「平和貢献」というアプローチにも繋がるわけで、非常に危険性の強いものだと思います。
 
さらには1面の「編集手帳」。ここには60年代の反戦フォークソングを批判する記事があります。反戦フォークが、読売の記載通り、当時の北ベトナムが全て正しく、US/南ベトナムが悪という観念に近かった物だろうと思います。そして、最後にその時の「反戦フォークが今歌われない理由」が「過酷な国際政治は情緒的な理解では本質に迫れない。それが分かると、陶酔して歌えないのかも知れない」との流れで記載されています。
 
けど、この新聞は今のイラク戦争が、同面の中曽根康宏氏のコラムで「テロとの密接な関係にあると思われていた凶暴なイラク独裁政権を崩壊させた」と位置付けしていることからも、USが「一方的な善」と捉えているのがとは如何に? という矛盾は無視だそうです。
そしてその「一方的に正しい」というのに「陶酔した」記事を書いているのは、いかがなものかと思うのと、「反戦」が「情緒的」とも結んでおり、戦争が「善」で(も)あるという意図が明確にあると思います。
 
いずれにせよ(内容はともかく=笑=、販売力だけで)日本最大の新聞社がこのような記事を書いている、という現状に非常に大きな危機を感じずにはおれません。

投稿者 wolfy

「読売:日本の戦争肯定を誘導?」に4件のコメントがあります
  1. またその新聞の意見を受け入れちゃう人も多いですしねぇ…

    sigh

  2. ほんとにね…どーすりゃいいんでしょ…って感じ。
    せめてきっちり物は言わないと、って。

  3. というか、読売とはそういう新聞でしょう?
    常に右へ右へと進むことばかり考えている。
    産経もおなじ。朝日は左へ左へ。
    どれもまともじゃない。といいつつ私は朝日ですが(^^;。

    そういうメディアのスタンスを知った上で、
    眉につばつけて読まないとあぶないったらありゃしない。
    もう日本にはまともな言論を載せるマスメディアは
    ないです。Webで探さないと。

    しかし、政治を扱ったblogは少ないですねぇ。
    楽しみにしてます>wolfyさん

    ところで、wolfyって名前は、ウォルフウィッツ君から
    とったのでしょうか?

  4. >acintoshさん
    あの新聞社には言論の自由なんてないのも知った上で書いてますよ…一般の認識とはやっぱり乖離があると思いますね。

    ええと、ハンドルですか?
    実はNashville, TN, USA にあるバー"Wolfy’s"から取りました。良い音楽も聴けますし、一度行っていただきたい所です。それとホッケーとサッカーのマスコットが「狼系」ということもありまして…。ドメインもこれで持っています…(^-^;) jpじゃないですけど。tv cc to でもありません。

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