不妊治療として行う「他人の」精子や卵子を使う体外受精や、代理母など第3者が介在する不妊治療の実施基準を法的に定めようとする「生殖補助医療法」について、厚生労働省は今国会での政府提案を断念したとのこと。
 
例の向井亜紀さんの代理母出産が話題になっている中見送りになった理由として、自民党内部に子供を産む権利を国が規制するのはおかしいとの反発があるといいます。
 
この法案では、代理母出産は第3者に危険を負わせるという見地から禁止していながら、提供精子・卵子を使った不妊治療は認めるという矛盾した内容になっています。
 
私の知人でも、胎盤内の発育の問題で3回流産(ないし死産)した人を2人知っています。1人はその後無事出産していますし、もう1人は6ヶ月に入ったような状況ですが出産にこぎ着けられるかまだ完全にはわからない状況です。
 
身の回りに出産が相次ぐと、意外とそのような人が多いことに無頓着になってしまう傾向があるように思いますが、結構いらっしゃるようです。実は日本の潜在不妊人口は120万組(10組に1組)とも言われています。
 
精子や卵子上の問題であれば医師所見などで担保を取ることも出来るかも知れませんが、妊娠中の問題となるとことはやっかいです。医師というのはやはり(いろいろ有るとは言う方もいらっしゃるでしょうが、お目にかかった先生方は)やはり頭が切れる方が多く、その中で要件を明確に決めておかないと、「腹を痛めたくない」というだけの安易な理由で、不妊認定を受けて、代理母出産に踏み切らないとも限りません。
 
まだ、与党の反対には、日本で禁止しても今回のように海外で行うケースを想定していないことに対する批判もあります。しかしながら、「先送り」で「運用」にて適応を行うというのは、もっと問題が大きいような気がするのですが、この種の問題はやはり先送りにしてしまうようです。
 
この国が抱える年金や税制問題の根本の大きな部分に「出生率の低下」という問題があることを、まだ気付かないふりをし続けるのか、というのが正直な気持ちです。

投稿者 wolfy

「不妊治療実施基準、今国会での政府提案断念。」に4件のコメントがあります
  1. おっしゃる通りで、人口統計を見ると日本の将来は他の先進国に比べてもとても深刻なのにそれに気づかない振りをできるのは、のんきな国民性なのではないかなと思ってしまいます。
     今、政府は少子化に対してもっと具体的な施策を取らないといけない時期に来ていますよね。倫理も大切ですが、人口のバランスを保つという目標を忘れないで欲しいと思いますね、、、(1児の母としても)。

  2. そうですね…小手先の児童手当期間延長などでは何の解決にもならないんですけどね。出産一時金を200万位にすれば解決するという問題かと言えば違いますよね。子供を育てにくい環境、ちょっと前言われた「DINKS」で豊かな生活なんて考えが結構ありますし、US在住の方のBlogにある「ちょっと子供の送迎で」と会社を一時抜けられたりというような事がないと、ダメなんじゃないかと思いますよね。

  3. 「子供の送迎で」と気軽に言える受け皿作り。この難儀なお題目に政府はどうやって挑戦するでしょう!市民に情報を積極的に開示(告知?)する事から始まるのかと思うと先はなが~い!でも、最初の一歩でしょうかね、、、。社会は重くてなかなか動かないですからね。

  4. そうですよね。で、一番強力なのは、一番費用のかかる部分(中~高)の人数が減って来たときに、その層に月1万とかの教育補助を行うとかね。でもそれやっちゃうと日本の親って余分に教育費かけちゃうんですよね…。
    短期的な対策はやっぱり産んだら100万、とかかなあと。(やれないですけどね)

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