今回の解放についてのニュースでは、実は最も優れていたのテレビ東京でした。以下の内容について言及されていました。
1)今回の解放とUSのティクリートでの停戦は直接の関係がある。
2)小泉首相-チェイニー副大統領の会談が大きな意味があった。
3)自民-民主の党首会談時に、実は米軍は邦人3名の拘束場所を知っており、その情報は小泉首相にも伝わっていた。
ただ、政治家の方のコメントの経緯を見ると、このような事も界間見えます。
4)自・公とも、自衛隊の派遣を続けての解放は評価できる、との見解であること。
個人的には、今回の解放に関する事態の把握、交渉に関して、内閣・外務省の働きは大きく、評価を十二分に出来るのは間違いないでしょう。ただ、4)を見る限り、また、USの停戦が今回の問題と関連があったということが事実であるのであれば、以下のような類推ができると思います。
・もちろん今回の内閣・外務省の働きは評価できる。
・USとの交渉力があったことも評価対象である。
・しかしながら、内閣が今回の事態収拾に当たったのは「自衛隊の派遣」の正当性を第一とすることであった可能性が高い。
・USとの交渉で日本側がカードとして出したのは、何らかの直接的な動きがないと派遣を継続できないと言い、米共和党と自民(つまりは日本の政権)との連携と日米安保を推進するための譲歩を引き出した可能性が高いのではないか。
・USの譲歩はその結果であろう。
・実際、USの軍隊の動きもあったのだから、より日本は日米安保体制の元に、派遣の必要を、USはその庇護を行う方向に行くだろう。2004年にブッシュ大統領が再選された場合に限るが。
・結果的に今回の解放によって、政府は自衛隊のより積極的派遣を模索するであろう。
・憲法改正論議に巻き込んで、自衛隊の派遣ではない「派兵」を行うことも可能にする可能性がある。
・その場合、日中戦争時の前哨となった、上海事変等の経緯から中国の猛烈な反発を受け、これにより最大のビジネスチャンスを失う可能性があるだろう。
・結果的にUSを中国との通商政策で利する結果となり、これがUSの日本に対する経済的支配力を強める結果になる可能性がある。
以上から、日本の自衛隊派遣をより強めるのか、有る程度のUSとの距離を取るのか、それは皆さんでお考えいただければ良いことだと思います。
私は、結果的に今回の事件は、日本が危険な方向に行く徴候だと思いますが、さて。
「邦人3名解放の経緯と評価。」に3件のコメントがあります
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外務省主導での米との交渉であればいいのですが、米主導で「やつらあそこにいるけどどーするね」みたいな交渉だった可能性もあるわけで…というか日本の実情を考えるとそっちの方がありえる話ではないかとか…やっぱり邪推ですよねぇ…
日本側は切るカードがほとんどないわけで…アメリカ側がほしいのは…大統領選での点数稼ぎ…何を約束させられたのか、危惧ばっか(笑)
杞憂、ですよね、こんなことは、きっと
線とすれば、ありますね。
でも今回の事件はUSにとって、日本しか見ていない行為で、USにとって意味の不明確な停戦なんてのは、全く意味を持たない訳で。
逆に日本の「軍隊」を外に引きずりだせば、中国との関係が(今でさえ小泉さんは訪中できない状況です)確実に悪化して、通商の利を取る、という考え方からサポートした、またはUSの軍事費の肩代わりを日本にさせる、この2つの方が現実的に私には見えます。
事実はどうかは、30年後の公式文書の開示待ちな訳ですが。
事件対応:政府への評価の修正
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