ここにしては珍しく、読売へのリンクです。これは非常に冷静に書かれています。結構整理されていて、入国制限を巡る議論について、現在の解釈を知ることができます。私も少々認識を改めました。

知っておくべきこととして、

1)例え退避勧告が出ていても、政府は自国民保護の義務があり、救出は通常業務。
2)渡航禁止については移動の自由だけでなく、表現の自由でも違憲の可能性が出てくる。
3)旅券法の解釈対応で制限を行うことについては、旅券返納規定は犯罪容疑者を除き、旅券の返納命令を出したケースがない。
4)渡航の自由は基本的人権であり、これを制限するのは国際的に「特異」である。
5)今回のケースで費用を請求するのは、チャーター機の「運賃程度」のみ。これも自動的のようです。

これが国際的には当たり前のようです。
少なくとも、与党の一部の方には、この認識が欠如していたのでしょう。

# そう言えば、3年前、USから帰国の際、2人のアメリカ人に連れられ、飛行機に真っ先に乗せられていた日本人を思い出しました。彼も帰国の飛行機代を請求されたんでしょうか…(恐らく、不法滞在か入国拒否で強制送還)

# 2004/4/18 15:38追記
実際に負担するのは、バグダッド-ドバイ間の普通運賃相当と治療費の6~7万円/人とのことです。決してチャーター機代を頭割りするわけではなく、送還相当費用という通常の請求です。何故これが「自己負担」と報じられたのかも理解できませんね。

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投稿者 wolfy

「拘束された方への一部費用請求は、自動的に決まっていた?」に7件のコメントがあります
  1. う~ん。チャーター機の運賃は請求するとして
    やはり、かかった総額を併記して欲しい気がします。
    どれくらい大きな話になってしまっていたのか、教えてあげたい・・・
    その上で、まだ渡航するという判断をするのなら仕方がないこと。
    お邪魔しました。

  2. トラックバックしてもらいましたんで、御礼を。
    よく見せてもらってて、立場をしっかり踏まえて文章を書く姿勢が素晴らしいと思ってましたので、トラックバックを見たときはビックリしました(笑)

    実際、どのくらいの経費がかかったのか、どこに払ったのかは知りたいですね。
    それ以上に、今まで(そうだなあ・・・湾岸戦争以降、かな)にイラクをはじめとする中東にある大使館が「接待費」をどう使ったのか、も気になります。
    情報の発信源が「アルジャジーラ」と「聖職会」からのものばかりで、政府は独自にどれだけの情報を集められるのか、はかなり興味があります。

  3. 一体いくらくらいの経費がかかったのか

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    外務省が一体いくらくらいの経費がかかったと言っているのか、非常に興味があります。前に書いたんですけど、「チャーター機」とかは人質になった3人に請求するべきだと思います(イラクに退避勧告が出ていて、退避するためにはその費用が必要でしょうからね。飛行機よりも高くつくのも、UAE経由なのも、その費用が請求され…

  4. >urara99さん
    総額と言っても、それがフェアに支払われたのかを判別する方法はない訳で。それ以前に日本に帰ってくるまで、自分達がこの国でどういう立場の人間になったかなんて、気が付きはしないでしょう。まさかCNNやBBCでも自分たちの顔が何度も流れていたり、他国政府の要人に自分たちのことに関するコメントがあったりね…。
    それでも安易な発言をしちゃうと、安く扱われて仕方ないような気がします。特に「未成年」のあの子は、取り巻きとその他の印象の落差に、一番大事な時期を費やすことになるのでしょうね。あの子の程度の考え方では、未だ青いですし、逆にそれが故の行動力で持ち上げられた雰囲気もありますから、ある意味「お悔やみ申し上げます」という感情も私にはあります。

  5. >ラスカルさん
    接待費以前に「自作自演情報」に実際に当初は振り回されたということですから、接待費の使い方も結構ムダな使われ方をされた可能性を考えなければいけないように思います。
    ネットで流れる「数億円」という金額も、どこまでが事実なのか、と言う問題もあります。まあ、前述の理由で開示されることはないでしょうけども。
    実際にはUSがこの事件のために使った費用の方が多いと思いますし、日本の非効率性(決定権が誰にあるのか不明確なので、1つのことに多人数で合議し行う)と、USの効率性、その後の委譲への国連の関与決定など、日本はまたもや止まるべきでないところで国民の考えも滞留していて、その方の失われるコストの方が数百倍も大きいような気がします。
    累積国債の利子が、平均3%としても、1日60億ということを忘れてはいけないように思います。何もしなくても、借金はそれだけ増えるのですから。

  6. アメリカだと、基本的に帰国用チケットなしでは入国しようにもできない…そこをぶっちぎるつもりでもない限りは帰国用チケットは持ってる筈。つーわけで、その場合は請求されんでしょうね…
    で、帰国用チケットを持っていない、はなっからぶっちぎるつもりの人は…どーなるんでしょw そーいう度胸ある人には会ってみたい気もしますが…
    入国後に帰国用チケットを売り払ってしまった後に不法滞在等で強制送還時(これもチケットなし)と同じ扱いなのかな…

  7. いや、意外と帰国用チケットは確認しませんでしたよ…少なくとも9-11以前は。今はitineryにパスポート番号入れて「事前審査」をコンピュータ上で行っているのでね。でも片道チケット×2でも、見せろっていわれなかったこともあったり…。
    帰国用チケット…今は記名性だし、国際航空運賃は正規料金以外は、片道使用のみであれば、払い戻しするとマイナスになるので、普通しませんわね…。

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