own – [関連したBlog]
結局、約束させられたことは先にも書いた邦貨1000億円、国際価格で100億円相当、北朝鮮国民1人当たり10kgのコメと、さらに11億円の医薬品を提供すること。一方約束させたことは5人の既に帰国した拉致被害者家族8名の帰国。それと別途10名の再調査。弾道弾の試験の中止、以上。核廃棄は「6カ国協議の中で」と事実上の保留。
それでジェンキンスさんたち3名は、北朝鮮側も帰国を昨日深夜まで説得したとのことだけども、自分たちの意思で帰国せず、北京で曽我さんと面会し協議となったとのこと。
個人的評価としては、北朝鮮は大きな問題は全てUSとの問題で、拉致問題は日本の「人道援助」を引き出すためのカード。結果として、北朝鮮政府は先に挙げた様に大きな譲歩を引き出したことになります。一方日本側は「8人」の他には実際には、何も引き出せず、わざわざ文言の中に「先送りでない」と入れなければならなかった。
それ以上に3人の帰国を先送りする理由になった、USの訴追免除を2年近くも放置して、1週間で結論を出そうとし、結局「先送り」。外務省も無視して今回の訪朝を決めた小泉さんには、この先送りは無政の責任がある筈です。
そういう意味では
1.交換条件という意味では首相が向かったにしては、意味のないもので、D-。
2.ステップであることは最低限示したものの、国際的な主要問題はUSと、あとは過大な無償援助が必要なことを示したので、DまたはD-。
という評価をせざるを得ません。かろうじて落第点ではない、というだけですね。これでも大甘な採点にしているつもりですが。
さあ、今回の訪朝はむしろ小泉さんである必要もなく、首脳会談の相互訪問原則も崩して、へりくだった立場での訪問、さらに皇太子さんのスペイン公式訪問を、急遽民間機で向かわせるというばたばたぶり。彼には大局が見えていないことを示してしまった訳ですが、国民は支持率でどう評価するのでしょうか。
それとも、小泉さんは、有事法制がろくに報道されないまま衆院通過、未納問題隠しでの年金改訂案通過。これらが主題だったんでしょうか?あ、あとサマワでの戦闘も隠しましたっけ。なら、小泉さんは、また「目くらまし」成功ですね。支持率が維持か上がるようなことがあれば、ね。
#23:33 追記:
5人の被害者の家族の帰国については、平沢さんに、今年1月の段階で、「3月20日を目処に帰国させてもいい」とリークされ、その後彼が訪朝したように、既定事項であったと思われます。その上で、小泉さんが行く理由があったのであれば、より具体的な話がされていなければいけない筈なのですが。それを懐に入ったから評価しろ、というのは「子供の遣い」レベルの話ではないでしょうか。
「訪朝評価について:結局ジェンキンスさんと家族は帰国せず。」に3件のコメントがあります
コメントは受け付けていません。
初めまして。
「小泉さんの足下」を思いっきり見られて、
将来にも影響が及ぶ、余りにも高くつく取引に
「日本国首相として」応じてしまった感があります。
たったこれだけのために首相が二度もピョンヤンに呼びつけられたのですね。参院選が彼の花道になりかねない状況だと思われます。
今日の某紙の世論調査で、今回の小泉さんの訪朝を「評価する」が67%だかとか言う結果が出ていました。確かに「全く評価しない」というのでは私もありません。でもあまりにも拙速すぎましたし、もてる時間も有意義に使ったとも思いません。
25万トンのコメの報道問題も、実はこれが公表されず、帰ってくれば、ポイントになるという稚拙な判断ではなかったかという点でも、非常に懸念しています。
その点であまりにも拙速で、幼稚な外交をしてしまったということは、頭に置いておかねばならないと思いますね…。
これで「人道援助が帰国の度に必要」「帰国者の口封じのために、全ての被害者の帰国は後送り」が決定したようなものですので。