いや、国民が結局「何も選択しない」ことを選んだ、とも言える訳で。
自民は敗北でも認めないし、民主も野党としてはほぼ横ばいとも言えるので、それほど高評価はできないし、共産は民主集中などを放棄して出直す必要が確定したのに、多分放棄はしないし、公明も基礎議席の10を確保したものの、自民のバーターがあったという点ではとても評価できないし。
そう言う意味では、民主・公明が辛勝、ということは出来るんだろうけど。
でも実際には参院の「カーボンコピー化」がはっきりした選挙でもあった訳で。
というのも今回の無所属議員は全て基本的には民主または野党共闘の候補。純粋の無所属・諸派候補が0になった初めての参議院選挙。緑風会が大きな議席を占めた参院の本来の意味が、党議拘束がまかり通る議会では全くなくなってしまった。これにもメディアが政党の無意味な党議拘束やそれが無い議決でも、主流派と反対の投票をするだけで「造反」とあおり立てることと無意味ではないだろう。この国のメディアは全体主義指向なんだなぁと、この言葉を聞く度に思う。
結果的に無所属の5名は民主会派に入るだろうから、実際の民主は55。それに自民の調整失敗による乱立もあった98年の参院選で、漁夫の利を得た共産という側面もあったんだけど、今回は乱立はほぼ皆無(兵庫など一部であったが)。これも自民の退潮を決定付けたな、と思われる事象だったんじゃないかと。
しかしながら、結局は無党派層が民主に流れたことが、この結果を招いたのであって、民主を支持しているという訳ではないのも事実。これには自分も含まれるんだけど。それが大阪での辻元清美候補70万票(落選・次点)に繋がったのだと。黒でも白でも、ネズミを捕るのが良いネコ、という時代。それは嘉納昌吉候補(民主)が当選したとはいえ、比例で中盤以降に沈んだり、神取忍候補(自民)が比例で次点に沈んだりということと無関係ではないだろうし。絶対的なタレントか、政治的なことをしてきた人でないと生き残れなくなった、という意味で、ようやく国民の瞼が開こうとしているところ見せたのではないか、と思う。でも、寝ぼけている時間も無いのだけど、それを「国民」は自分のせいではない、というからね。
どっちにしたって、今回の選挙で大して動きがないのは織り込み済みで、米大統領選で大きく事態は舵を切ることになりましょう。小泉さんの強運は、ブッシュさんの逆転再選を招くかどうか。旧自由党は米民主党とつながりがある人も少なくないから、アメリカの政権交代は、小泉さんに辛い政策を強いることになって、それをアメリカに対して「文句を言うポーズ」に見せて、「アメリカと対決する首相」を演じてまた支持率を上げるかも知れないけどね(苦笑)。でもどうせ中味はないんだろうけど。
苦悩は衆院選まで続くでしょうね…。ただそこまで引っ張ると、立て続けに参院・衆院選があることになるので、自民党の終わりの始まりになるかも知れないってことも、小泉さんは覚えておいてね、と。森派以外の派閥をあれだけ弱体化させたのだからね。
「参院選考察。」に24件のコメントがあります
コメントは受け付けていません。
党議拘束違反が造反とすることをして全体主義とはちょっと乱暴。
党員として名を連ねる以上党に対して責任があるわけで
拘束を破るなら党離脱なりなんなりが伴わないと。
その責任を果たすならそれは誰も止めるべきではないと思う。
「国民」のせいではないとは言わんだろ>国民
あんたも俺もそうだがあの選挙区の有権者はバカだな。くらいは誰もが思ってる。
辻元を選んだやつにしてもハタから見ればバカ丸出しだが
彼らなりの理由があったんだろう。自民に入れるアホよりマシと思ってるかもしれん。
それにみんな自分の生活に精一杯だからよほどの暇人かパッションでも無い限り能動的には動けないんだよ。
責任を求めるには個人の力はあまりにも小さすぎる。
無論、積極的に選びたい奴が本当にいない現実も無視するわけにいかない。
結局、戦後の一億総懺悔、バブル期における全国民の熱狂を非難するという論評にしてもそうだが
「最終的にはみんなが悪い」という日本人皆の底流に流れる自然意識。
ある意味美徳でもあり、反面責任をきちんととるという意識の無いトップが生まれる要因でもあるんだろうな。
アメリカなら少なくとも、全ての法案に党議拘束ってのはないのはご存じですかね?
あと、最終的にみんなが悪いのはそう。でも一部の人だけが極めて得をしている、というのを見逃してはならない、と思うんだけどね。その見逃した責任は取らないといけない。
それはアメリカに国益を流出させた、ということでもあるのだけども。次は中国だろうってことは前にも書いたし。
日本の無責任は会社にもある訳で、ある意味議会は縮図。身の回りから変えていかないとね。
党議拘束について、リンクを別個まとめますので、皆さんもこの国の政党のある意味での「異常」さがどの程度のものか、ご判断下さい。
だから?あっち大統領制ですが?「造反」なんて表現のひとつだろってこと。あと、アメリカは全体主義ではないのか?といえばそれもない。
「つぎは中国」な…あの国の力からいえば今まででも十分無駄に貢ぎすぎなのに。
どっちが「全体」主義なんだか。
本当にやばくなったときまで草妄は本気でそれを崩す動きを見せない。そりゃそうだ。権力者と違って課せられた仕事が別にある。選挙権が確立した民主主義でもそれは同じ。だからこそ権力者にはそれだけの高貴な志が求められる。どっかの県知事がよく言う横文字のあれだ。(言うだけはタダなんだが…)
だから臨界点になるまで草妄が動かないことをして責任を果たして無いというのは無理がある。
選挙権というシステムは、ちょっとの責任と引き換えにその反乱プロセスをある程度だけ容易にしてあげるという程度のものです。幻想を抱いちゃいけません。選挙権にしろ権力者はその一大数を買い占めることができる。
あの、イギリスでもドイツにもイタリアにもフランスにも無いようなのですけど…。
あとカナダにも無いですね…。
この中で大統領制は、フランス…だけですね。
二つも。他も成立形態が日本と全く違うだろと。
リンク先のまどぎわの党議拘束問題視だって二大政党制とからめての話。
巨泉は嬉しそうだねw
>エモよ、党議拘束なんて、アメリカにも、イギリスにも、ドイツにも存在しないんだよ。執行部が時間をかけて説得するのが筋なのだ。
とほほ。なんじゃそら。
菅は一院制主義だったね。小泉もだっけ?
いずれにせよ。日本の風土に合わせてそっちに手を入れなければ、
党議拘束をご満足頂けるほどにまで緩めるのも現実問題どうかと思う。
それにねえ。派閥があれだけ溶解する昨今、巨泉やエモは別にしても
その手の拘束がそんなに問題となるほど力をもつとは思えないんだが。
党議拘束ありだと、議論なんて出来んでしょ、と思ったりするのだけど、その辺は如何でしょうかと。
最後は数になるから、押しくらまんじゅうと。
URLの5.
資料を示さず自論が支持されていると思わせる を
何回繰り返しても、他人を威圧出来る場合はあっても、
説得はできないと思います。
その主観的判断結果を導いた、根拠を
面倒がらずに探してきて、提示する必要があります。
党議拘束に関して一例を挙げれば、
先の著作権法における、レコード輸入権追加の際、
複数の民主党議員が法案の根拠脆弱・趣旨すり替えを
委員会質疑で暴いたにもかかわらず、
採決では一人が退席したのみで
他は民主党の党議拘束に従って
輸入権に賛成票を投じました。
議場で各議員が法案の問題点に気づいても、
それ以前に決定された党議拘束の方が
法案の成否を決めた事実があります。
これは議会の機能に
大いに悪影響を与えていると思います。
>Teruさん
コメントありがとうございます。
輸入権の具体事例は参考になりますね。
まあ、粛々と進まなくても、終いには強行vs.牛歩って構図しかなくなって、見ている私も白けてしまうことが多いのですが。審議が粛々と進んでも、そうなってしまう。
ダメだと分かっていて、なんでやめられないんでしょうね。
支持されていると思わせる??
支持されていると主張したことあったっけ?
ていうかその法則便利だけどね。
レコード輸入権を持ってきたのはなかなか気が利くよねw
あれはネット上じゃ特に圧倒的に反発を受けるであろう粗悪案だから。
でも確か2人退席したんじゃなかったっけ?
で、その議員はなんか処分を受けたんだろうか。
結局、残念ながら反対派の論陣が民主内ですら力を持てなかったんだろう。
そもそも「海外盤が輸入できなくなる”かもしれない”」が煽り文句だった弱み。
擁護派の「今くらいの価格差なら輸入禁止にはしない」という言葉の前に党議拘束を外す力さえも生まなかった。
業界に金を掴まされたんだろという反対派消費者の主張も外れてはいないと見るのが自然だけど、
それ以上に消費者よりも国内産業保護を優先するメンタリティが働いたこともあるんだろうな。
造反有理を貫徹したのはたった数名。党議拘束どころか、いや党議の転換どころか執行部の転覆にまで至った
同時期の年金改正3党合意との熱意の差は明らか。
全体主義なのかねぇ?
強行vs牛歩まで行けば選挙が解決システムとして動きますから。
やめられないっつうか、物事が動かなくなってしまうシステムになってるということだと思う。
あ、これ辻元関係。
やっぱ彼女にはみんな政権担当能力以上にチェック機能のほうに期待は大きいように思うんだよね。
そのときに自民じゃあるまいし執行猶予で出てきたというのは引かせるに足る理由のように思う。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20040713k0000e040067000c.html
>にくおさん
これが全体主義的かどうかはこれ以上議論の余地がないと思うので、ここで終了とします。お互いの観点の違いも出たと思いますし。
あと、チェック機能と言えば、ある意味青島幸夫氏も元来はそれで支持されてきた人だと思う訳で、それが都知事という権力者になって価値を混乱させちゃったのは、辻元さんと同じという気は確かにしますね。それは前々回参院選の共産党の躍進と無縁じゃないと思うし、反動が今回だったかなと。
これは本題とは別だけと、呼び捨てもやめてくださいな、出来るだけ。私には先入観入ってるように見えるから。
>でも確か2人退席したんじゃなかったっけ?
委員会採決では川内博史衆議院議員一名が退席、
http://blog.melma.com/00089025/20040602
委員会場内の起立総員で可決
本会議採決でも川内博史衆議院議員一名が退席、
http://www2c.biglobe.ne.jp/~kawauchi/today.htm
議場内の全会一致で可決
これは調べれば分かる事実です。
憶測を交えて誤った書き込みを行う前に、
お調べになることはできないのでしょうか。
字数制限に引っかかったので
衆議院の参照URL
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009615920040602025.htm?OpenDocument
http://www.shugiin.go.jp/itdb_honkaigi.nsf/html/honkai/keika20040603.htm?OpenDocument
本会議採決では6名が退席。1名は誤り。
いちおう、当時見かけた所だけは確認してたんですけどね。確かにあやふやなところは悪かった。
2名というのはここから。
6月3日の衆議院本会議で、著作権法の一部を改正する法律案が成立しました。エンタメ議連会長の佐藤謙一郎と事務局長の川内博史は、採決時に退席致しました。
http://www.satokenichiro.com/cd.htm
数名というのはここから。
私のほか、五十嵐文彦、中村哲治、川内博史、次々と席を立った。
http://www.satokenichiro.com/entamenews.htm
辻元さんが通ってしまえば、今後他議員のモラルハザードが余計歯止めがかからなくなってしまう。
いや出たというだけでも、もう以前よりは彼女という存在にはあまり期待できないように思う。
毎日には「なぜ焦ったのか」とある。期待を内包した表現と言えるでしょう。記者の気持ちは分かる。
しかしおそらく辻元さんとしては、なし崩し的に進むイラク派兵とそれに対する世論の変化への焦りがあったんだと思う。
されどそれで何かを失ってしまった。
チェック機能として共産社民の回復は今後あるんだろうか。
自民と民主でそれをやりあった結果が未納政局なんだろうか。
自民と民主は本来はその中の左派・右派で再構築した方が明快なんだろうけど、多分それはないだろうし。自民が決定的な下野をするまでは。
共産・社民はやはり身の回り人の話を聞く限り、胡散臭さが付いて廻っている。そこを綱領改定や、場合によっては統合し新名称でスタートを切れば、結構、公明並みかそれ以上の議席を得る可能性は十分のような気がする。
自党内の「抵抗勢力」と戦えれば、の話だけども。
国会の現有議席が一桁台になったにもかかわらず、
組織及び幹部の護持が第一目標に
なってしまっているような政党は、
次の衆院選で政党としての立場を失うでしょう。
運動員による街頭宣伝の発言が、
表現に至るまで幹部と同一だったりするのを聞くと、
組織が硬直し、思考停止が広がっていることが伺えます。
なにしろ、党規約改定で
「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。」
ことを党員の義務と定めたりしています。
http://www.jcp.or.jp/jcp/Kiyaku/
その辺りについては有田芳生さんのサイトで明確に書かれていますね。先日書いた大阪選挙区で落選した宮本元議員さん。その臨席に私が座っていた時、不本意ながら(苦笑)読売を読んでいたのですが、宮本さんは赤旗を読んでらして、社説の行間を読んでいるように見えたのです。そんなに時間がかかるはずがない記事を。
で、それをちらちら見ていると、手にしている新聞を一瞥して睨まれた次第。
あ、だめだな、この政党、と思った一瞬でした。
勿体ないな、こんな話コメントでしているようじゃ…。